こころ

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毎日更新。カグヤの日々の取り組みをご紹介。

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おめでとうございます

先日、海老一染之助さんが亡くなりました。

彼は、2002年に亡くなった兄、海老一染太郎さんと共に

厳かな伝統芸能でもある「太神楽」を大衆受けするように

時代に合わせ小道具やその見せ方を進化させた曲芸師でした。

 

弟の染之助さんが和傘の上で升やボールを回したり

口にくわえたバチの上に土瓶を乗せ

手を触れずにバランスをとるなどの芸を披露しながら

その傍らで兄、染太郎さんが

「弟は肉体労働、兄は頭脳労働。これでギャラは同じ」

などとギャグを言ってはお茶の間を楽しませていました。

 

そんな彼らの舞台での決め台詞が

「おめでとうございます!」でした。

 

たとえ芸が失敗しても(失敗することは滅多になかったようですが)

「おめでとう~ございます!」

と声高らかに叫び観客を笑顔にしたのです。

 

そして染太郎さんの葬儀では

染之助さんは挨拶の締めくくりに

「おめでとうございます!」

と言って兄を送り出しました。

その胸中はいかばかりか・・・

その言葉だけでは計り知れないものを感じます。

 

祝いの言葉「おめでとうございます」には

感謝の気持ちが含まれている気がします。

例えば誕生日も「おめでとう」と祝いますが

その気持ちの中には

生まれてきてくれたこと、出会えたことへの感謝や

生んでくれたこと、祝ってくれることへの感謝、

そんな「ありがとう」の気持ちも少なからず感じるところで

言った方、言われた方、双方に

感謝の念が存在していると思うのです。

当たり前のように互いに伝え合う

お正月の「おめでとうございます」。

これも無事新年を迎えられたことへの

感謝が込められていています。

 

どんな「おめでとう」も

たくさんのお陰様があってのことで

祝ったり、祝われたりしたとき

そのお陰様に改めて気づかされます。

そしてそこに見つけるものは「感謝」。

 

古からある日本の言葉には

「お陰様」や「感謝」を感じる魔法が

たくさん隠れているのだと感じます。

言葉の奥深くに隠されたそんな心を

無意識のうちに聞き逃してしまわないよう

いつも心を澄ませていたいと思います。

 

ミッションパート

佐藤真樹