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毎日更新。カグヤの日々の取り組みをご紹介。

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美味しさの隠し味

カグヤの入っているビルに隣接するホテルに、こじんまりとしたレストランバーがあります。
そこのランチはメインディッシュ6種類から1種類を選べて、サラダとスープが食べ放題となっています。
キッチンに続くカウンターには常時10種類以上の生野菜や総菜が所狭しと並び、保温プレートの上に熱々のスープ鍋が3種類用意されています。
12時前には満席になるその店内を、いつも女性が2人だけで回しています。
せいぜい30席弱とは言えそれだけの人数ですから、食べ放題の食材はどんどんなくなっていきます。
ですが間髪入れず新しい料理が運ばれてきます。
野菜もなくなりそうになると「すぐ出しますね」と言って山盛りのお皿に入れ替えてくれます。
かと思えば、会計から食べ終わった食器の片づけに新しい来店者の案内、注文取りと、その動きは息つく暇もないほどです。
そんな慌ただしさの中でも、その人はすごく楽しそうにしています。
お客様に対応するときも、料理を運ぶ時も、少なくなったお皿が目に留まったときも、お客様が汚して帰ったテーブルを拭くときでさえ、とても楽しそうに、そして嬉しそうにしています。
残り少ない総菜を取るのに躊躇しているお客様がいれば
「すぐ足しますね」
と声を掛けてくれたり、出してもすぐになくなってしまうフルーツも
「あ、フルーツル切らなくちゃ♪」
そう言って弾む足取りで厨房に姿を消し、数分後には山盛りのフルーツが乗った皿を手に現れ
「フルーツ出まーす」と店内中に明るく声を掛けます。
その声につられて、ついついお腹いっぱいでもおかわりしてしまいます。
料理そのものはもちろん美味しいのですが、それ以上に店員さんの笑顔だったり、楽しそうな空気感が料理をさらに美味しくしている気がします。
そして彼女たちの明るい雰囲気は、居心地の良い空間を生み出しています。
美味しい不味いといった味覚も、好き嫌いの感覚も、その時の気持ちが大きく左右します。
笑顔が生み出した明るい空間は、その場に居るだけで心を明るくしてくれます。
特別何か努力したり意識するのでもなく、ごく自然にそんな空気感が生み出せたらとても素敵なことだと思います。
楽しむ気持ち、喜ぶ心、そして笑顔。
それほど難しいことではないのに、常にそうあり続けるのは簡単ではありません。
人間ですから怒ったり、笑ったり、泣いたり、色々と感情は揺れますが、ごく自然に、明るい方、楽しい方に心が傾けられるようでありたいと思います。
ミッションパート
 佐藤真樹