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「会社」と「社会」

「会社」と「社会」

「会社」と「社会」について考える機会がありました。

この違いは何だろうかと調べてみると、
下記サイトにこんな風に書かれていました。

 

「会社」をひっくり返すと「社会」になりますが、この2つの熟語は、何か関係があるのですか?

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斎藤毅『明治のことば』(講談社学術文庫)によりますと、「会社」も「社会」も、本来は古代中国語の「社」に由来することばです。古代中国語の「社」とは、土地の守り神のことを表します。日本風に言えば「村の神様」のことで、この神様をまつるための村人の集まりを「会社」とか「社会」とか言ったようです。つまり、この2つの熟語は、本来は同じ意味だったのです。
幕末になって西洋文明が日本へと押し寄せてくると、西洋流の新しい概念を日本語に翻訳するために、さまざまな工夫がなされました。その中で、「会社」「社会」は、目的を共有する人々の集団のことを表すことばとして、使われるようになります。しかし、やがて「社会」の方が、人々の集団全体を表すsocietyの訳語として定着するようになると、「会社」の方は、営利を目的とした人々の集団companyの訳語として使われるようになっていきます。両者の分離は、1874(明治7)年から1877(明治10)年ごろのことだったといいます。
「会社」が「社会」と同じ意味で使われていたとは、ちょっとヘンな感じもしますが、「学術会社(いまで言う学界のこと)」「人間会社(人間社会のこと)」といったことばもあったそうです。たしかに、「会社」=「社会」という等式が成り立ちますね。
「会社」と「社会」が分離してほぼ130年。今では「社会のため」と「会社のため」とは、だいぶん違う意味で使われるようになりました。営利企業に勤める1人として、「会社」と「社会」の関係について、一度ゆっくり考え直してみる必要がありそうです。

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「土地の神様」を守っていくというのは、
「その地域を守って次の代に継いでいくために」
という目的があってのこと。

その目的を持った集団のことを「会社」「社会」と呼んでいたものが、

西洋の言葉・思想と結び付けられてから意味が変わっていったというのは
不思議かつ面白いものです。

そして、「会社」と「社会」という本来一つの意味であったものが、
二つの意味として扱われる段階で、本来の意味が失われたことも
大きな転機だったように思います。

今となっては「会社」という意味は非常に利己的な使い方になっていて、
「社会貢献」と「会社貢献」が一致していないことが当たり前になっています。

技術や知識は進歩し、「会社」は経営されていきますが、
「地球」はどんどんと汚染され、「土地」が持っていた「地域性」や「風土」は
消えていき、「個人」の利益や便利さばかりが目立ちます。

私たちは「社会」と「会社」という言葉を分け、
「自分たちの利便性」を考えるばかりに、

「その地域を守って次の代に継いでいくために」
という、本来の目的を見てみぬふりをし続けていることは明白です。

今一度、私たちは本来の目的から考え、
どんな集団のことを「会社」「社会」というのか、
そしてその一員として何をするのかということを考え直さなければならないと思います。

 

 

ミマモリスト 眞田 海