自然から学ぶ

私たちの復興「自分たちに出来る事をする」

カグヤでは2011年の東日本震災から、自分たちなりに復興を始めました。それは、「自然から学び、自然に沿った本来的な生き方を実践する」こと。これまでの人間都合の生き方を改め、自然のつながりの中で生きる取り組みをご紹介いたします。

2016/07/16

関係づくり

先日、半日かけて
「聴福庵」の掃除を行いました。

先月初めて訪問した時は、どこか
「用意された大きな古民家」という感覚もありましたが、

室内をほうきではき、床の雑巾がけをしたり、
窓ガラスや窓枠、梁を拭いたり・・・と、

自分で、すみずみまで掃除することによって、

あそこの梁がいたんでる
あの窓ガラスには隙間がある
床が傾いている・・・など、

家のことが少しずつ分かってきて・・・

家との距離感が縮まったような感覚がありました。

また、白く朽ちたようになっていた木製の扉など、
蜜蝋をぬり、やさしく磨いていくと、

じんわりと木目が出てきて、
まるで命がイキイキ輝きだすかのようでした。

そんなわけで、こうして掃除をしていくと、
掃除が終わった頃には、自然と愛着も増し、
その家の見え方も変わってくるのを感じます。

そう思うと、愛着関係というのは、
最初からあるものではなく、
やっぱり、こうした関わりの中から増していくものですね。

関係づくりにおいて、
最初からいい関係を求めるのではなく、

むしろ、自分から心をかけ、手を入れていくことを
大事にしていきたいと思います。

かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子