自然から学ぶ

私たちの復興「自分たちに出来る事をする」

カグヤでは2011年の東日本震災から、自分たちなりに復興を始めました。それは、「自然から学び、自然に沿った本来的な生き方を実践する」こと。これまでの人間都合の生き方を改め、自然のつながりの中で生きる取り組みをご紹介いたします。

2016/07/15

静けさ

「聴福庵」では、五感が研ぎ澄まされ、
普段は気にならない「音」についても、
意識がはたらきました。

聴福庵_160714

一昨日には、ちょうど大雨に見舞われましたが、
雨の音がよく聞こえるので、
窓の外を見なくても、雨の強弱が分かります。

他にも、虫の音や、たまに通る車の音、
外で人が話している声など・・・

静けさゆえに、部屋にいても、
普段は気にならない様々な音が、
入ってくるのを感じます。

現代では、窓を締めれば
室内の音は漏れず、
外の音もあまり入ってこないような
気密性のある住空間がほとんどですが、

昔の日本家屋はすきまだらけだったり、

また、昔の暮らしにはテレビなかったり、
外も今ほどにぎやかではなかったので、

こうして外から聞こえてくる音によって、
意識せずとも、周りとの繋がりを
感じやすかったのではないかと感じます。

そして特に、夜はとても静かで、
大きな音をたてることは、
近隣住民の迷惑になることがすぐに分かるほど。

そう思うと、このような日本家屋は、
常に、周りをおもいやれる環境にも
なっていたのかもしれません。

夜、スピードを出した車の音が聞こえると、

「こんな夜に、あんなに車をとばしてないで、
 もっと静かに過ごしたらいいのに」と、

つい、思ってしまいましたが・・・

もしかすると、東京での暮らしのように、
人が、夜も賑やかな過ごし方へと変わったことで、

どこかに追いやられてしまった虫や動物たちも、
同じような気持ちだったのかもしれません。

音のある生活が当たり前の今、
暗さと共に、この「静けさ」についても、
見直していきたいと感じます。

かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子