そろそろお花見の見頃も終わりを迎え、
最近は、少しさみしい気持ちにもなってますが、
春の行楽としてのイメージがある「お花見」。
室礼の先生によると、
実は、昔は豊作祈願の行事として、
行なわれていたといいます。
桜は、春になって山からおりてきた田の神様が宿る木とされていたため、
桜の咲き方でその年の収穫を占ったり、
桜の開花期に種もみをまく準備をしていたそうです。
「サクラ」の語源には諸説ありますが、
一説によると「サクラ」の「サ」は田の神様のことを表し、
「クラ」は神様の座る場所という意味があり、
「サクラ」は田の神様が山から里に降りてくるときに、
いったん留まる依代(よりしろ)を表すとされています。
また、桜の花が稲の花に見立てられ、
その年の収穫を占うことに使われたりしていたため、
「サクラ」の代表として、
桜の木が当てられるようになったという説もあり・・・
桜のもとで田の神様を迎え、料理や酒でもてなし、
今年の五穀豊穣を「予祝」という形でお祝いして、
人も一緒にいただくことが、本来のお花見の意味だったようです。
毎年、何気なく行っている行事や、行楽と思っていたことでさえ、
由来や背景を辿ると、稲作文化と繋がっていることが分かり、
驚くことばかりですが・・・
行事や室礼、お米づくりを通して、
「日本の心」が、どんなものであったのかを知り、学び、
子どもたちに何を残し伝えていけばよいのかを、考えていきたいです。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子