ミマモリストの実践

ミマモリング=心を寄せること。

カグヤでは一緒に働き、一緒に生きる中で、お互いに心を寄せ、思いやることの大切さと、そこで生まれる感動や豊かさを大切にしたいと思っています。ただ仕事をするのではなく、自分の心の環境がそのまま仕事に表れるからこそ、「心を寄せること」を大切にしていきたい。そんな「ミマモリングを実践していく人々=ミマモリスト」の取り組みをご紹介いたします。

2016/09/24

「タイミング」

九州の聴福庵にてこの一週間、
様々な事を体験しました。

床下への炭入れ、おくどさんで行う調理、出汁取り。
炭火でのサンマ焼き。炭で沸かす風呂。苔庭づくり。
木綿布団の天日干し。

全てに共通するもの。

それは、「タイミング」です。

炭入れも、家の傾きの工事のタイミング、天候、大工さんの予定、
家の床下の状況、すべてがかみ合ってのタイミングです。

おくどさんで行う調理は、まずは火おこし、火の状況次第。
ガスで調理するのと違い、簡単に自分でタイミングを調整することが出来ません。
一番出汁ひとつをとるのにも、苦労しました。

炭火でのサンマ焼きも簡単ではありません。
炭火の状態、火力、炭との距離。さんまの大きさ。
それらが丁度良くなるタイミングを見つけないと
すぐに焦げてしまいます。

炭で沸かす風呂も、ガスのように10分で湧くわけではなく
沸かすまでにとても長い時間が掛かる為、
一日の生活の流れを逆算したタイミングでの火入れが必要です。

苔庭造りも、梅雨入り前、秋雨前などのタイミングではないと、
苔が根付きづらいと言います。

そして、布団も干すのは10時から14時の間ではないと、
せっかく干しても湿ってしまいます。

聴福庵の生活の中で学ぶのはこの「タイミング」です。

そもそも、簡単便利になんでもできる社会の中で生きている私たちは
暮らしのタイミング一つを「自分のタイミング」に合せてしまう生活に
慣れすぎているのだと感じます。

本来は、食事一つをとっても、お湯を沸かすにしても、
今のように自分の欲に併せられるように、短時間で出来るわけではありません。

その生き方は、簡単に仕事にも表れます。

そもそもの頂いた「仕事」や「ご縁」に限らず、
日々の出来事には全て「全自動」のタイミングがあるということを
今週も、熊本にて感じさせて頂きましたが、

実際はそのタイミングを感じられずに、大抵の事を「自分のタイミング」で
行ってしまうからこそ、不自然なことが起こり、
忙しくなり、上手くいかなくなるのだと痛感します。

ついつい忙しい時は、仕事量が多いと感じてしまいますが、
今回の聴福庵での体験が自分自身をまた、支えてくれるように感じます。

量の問題よりもタイミングの問題であることをまずは省みれる
自分自身を失っては、見守るということは出来ません。

軸足を自分自身においては、心を寄せることも
本当の意味では出来ません。

聴福庵での大切な学びを、人生に活かして行きたいと思います。

ミマモリスト
眞田 海