ミマモリストの実践

ミマモリング=心を寄せること。

カグヤでは一緒に働き、一緒に生きる中で、お互いに心を寄せ、思いやることの大切さと、そこで生まれる感動や豊かさを大切にしたいと思っています。ただ仕事をするのではなく、自分の心の環境がそのまま仕事に表れるからこそ、「心を寄せること」を大切にしていきたい。そんな「ミマモリングを実践していく人々=ミマモリスト」の取り組みをご紹介いたします。

2017/09/10

「類似品」

来月のモーニングの実践に向けて、
秋の味覚ということで、
サンマを使った料理を練習してみようと思ったのですが、、、

今年の漁獲量は低調だそうで、
これからが本格的な漁のシーズンということで
まだまだ高いため、去年の倍の水揚げとなっているスルメイカが
安く売られていたので塩辛を作ってみました。

Wikipediaによると

塩辛(しおから)は、魚介類の身や内臓などを加熱すること無く塩漬けにし、
素材自体の持つ酵素及び微生物によって発酵させ、
高濃度の食塩により保存性を高めた発酵食品である。

食味改善や保存性向上の目的で副材料
(発酵を促進するために麹、保存性を高める為に日本酒、
脂肪の酸腐を抑制するために唐辛子)を加える例もある。

とありました。

食材そのものが持つ酵素を使い、発酵させるというのは
なんとも不思議なもので、誰がこんなことを考えたのだろうと調べてみると、
文献で残っているのは

694年から710年の間に奈良県の藤原京跡から、
地方より税としておくられた品物につけた木製の荷札である、
多数の木簡が発掘されている。
その一つにフナの塩辛を意味する「鮒醢」と書かれたものがあり、
これが日本における塩辛の文献的初出である。

とありました。

日本で1300年以上も伝わる伝統的な料理法であり、
智慧であったわけですね。

そう思うと、塩辛づくりも行程一つ一つがとても楽しいものです。

だれがこの工程をどうやって見つけたのだろう?!

当たり前のことですが、
この工程を1300年、
語り継いできているから今私が作ることができるわけですね。

なんだか1,300年の歴史を感じてしまいます。

お店で売っているものの多くには
「ソルビット」「酒精」「調味料(アミノ酸等)」「着色料」
が入っています。

これは、早く作ることはできますが、天然発酵と違うため、
栄養素も期待できず、簡単に言えば、「塩辛風」であり
塩辛とはまったくの別物です。

ある意味で、塩辛の味付けをした「イカ和え」のような状況です。

梅干しも、塩辛も、
どれもこれも、スーパーに売っているもののほとんどが
こういった「類似品」ばかりが並んでいます。

子どもたちにどんなものを残し、どんな体験を伝えていきたいのか。
改めて日本人が残してくださった本物の知恵を、
暮らしを通じて子どもたちに残していくと心に決める一日となりました。

ミマモリスト
眞田 海