ミマモリストの実践

ミマモリング=心を寄せること。

カグヤでは一緒に働き、一緒に生きる中で、お互いに心を寄せ、思いやることの大切さと、そこで生まれる感動や豊かさを大切にしたいと思っています。ただ仕事をするのではなく、自分の心の環境がそのまま仕事に表れるからこそ、「心を寄せること」を大切にしていきたい。そんな「ミマモリングを実践していく人々=ミマモリスト」の取り組みをご紹介いたします。

2016/06/09

「置き換えるということ」

今日お伺いさせて頂いた園さんでは、
見守る保育に取り組む中での課題として、

一斉保育から選択制に切り替え、
大人主体から、子ども主体に切り替えていく中で、

毎日がいっぱいいっぱいになってしまっていると
相談を頂きました。

一斉保育からどうやって見守るに変えていいのか。
自分たちなりに工夫して、子どもたちに選択肢を用意して、、、
一人ひとりの子どもたちに合せた準備をして、、、
としていると、その準備にいっぱいいっぱいになってしまうし、
何をしたらいいのかも分からないとお話しいただきました。

一斉の時代の保育も行いつつ、ゾーニングも行っているという事で
お聞きすると、お部屋のスペースがないため、
朝はゾーンを作り、お昼には片づけ、午睡をし、
また午後にはゾーンを作り、ということで、

なんだか、設定保育として「コーナー保育」をしているような状況に
なってしまっていて、、、よくよく考えると子ども達は本当の意味では、
自分達がやりたいことを選べたり主張出来る環境がないのだという事が分かりました。

また、先生たちもお話の中で教えてくれたのですが、

「やっぱり自分たちは、一斉や先生主導の時の事が残っていて、
月案作りも、保育も声掛けも、全部自分がやってあげることになっていた」

と仰います。

「いつも自分がその子に直接注意してあげたり、促してあげたりと、
自分がやることが前提になっていた。それは、何かやってあげないと、
申し訳ないと思っていた。」

そんな風に仰る先生は、

「でも、実際はその自分達の生真面目さが良くないのだと気づきました。
本当は、どうやったら、その子が自らそれに気付けるようになるかと、
環境に置き換えたりすること、ある意味どうやったらサボれるかと言う遊び心を
持つことが大事なんだと気づきました。」

そんな気づきをお聞きすると、まさに人ごとではないことに気付きます。

会社の仕事でも、どうやったらちゃんとその仕事を成し遂げられるかとばっかり
考えてしまいますが、本当は、どういう環境や仕組みを用意したら、皆で一緒に出来るか、
また、どうしたらこれからも困らないか、どうしたら一石何鳥にもなるかという風に、
環境に置き換える視点が大事なのだと思います。

環境に置き換えなければ、その出来事はその時は過ぎ去っても
同じことが一生置き続け、皆がみんな、同じように悩み、取り組まなければなりません。

アイディアやコツは環境に置き換えなければ、
組織には積み重ならないのだという事だと思います。

ある園さんでは、パズルコーナーの配置や向きを変えるだけで、
パズルを持ち歩いたりすることがなくなり、先生が注意をしなくて済むようになりました。

ある園さんでは、ピーステーブルを用意することで、子どもたち同士が喧嘩の解決や
仲直りが出来るようになり先生の仲裁や、
話し合う事の大切さを教えなくても済むようになりました。

それは、たださぼったのではなく、大人が教えること以上に価値のある事。
それは、子どもたちが自ら気づき、学び、発達していく環境を見つけたという事です。

それはエジソンの発明のように、一つ一つが尊くて誇らしいものだと感じます。

私も、自分でどうにかしようとすることを辞め、
皆と一緒になって、環境に置き換えていける発明を楽しんでいきたいと思います。

ミマモリスト
眞田 海