ミマモリストの実践

ミマモリング=心を寄せること。

カグヤでは一緒に働き、一緒に生きる中で、お互いに心を寄せ、思いやることの大切さと、そこで生まれる感動や豊かさを大切にしたいと思っています。ただ仕事をするのではなく、自分の心の環境がそのまま仕事に表れるからこそ、「心を寄せること」を大切にしていきたい。そんな「ミマモリングを実践していく人々=ミマモリスト」の取り組みをご紹介いたします。

2015/07/04

「見守り」

今日、お客様のところで一円対話をさせて頂きました。

自由のテーマは「おふくろの味」。

あるクルーがFTをさせて頂いたグループでは
親が本当に忙しいのに、いつも手間暇をかけて
手作りで作り置きをしてくれていた夕ご飯の話。
それも、忙しいから同じ品でもいつも味が違う。
それでも、手間暇をかけて作っておいてくれたことが嬉しくて
おふくろの味だとお話しする人。

そのほかにも、沢山の趣深いお話をお聞きしたそうです。

そして、その中で、
「私の母は、毎日のお弁当がいつも、冷凍食品だったんです。」
と話し始める先生がいらっしゃいました。

「短大時代、お弁当を開けると、冷凍食品がならんでいました。
でも、一品だけ、卵焼きだけは手作りだったんです。」

と仰る先生。

「短大を卒業するまで、それは続いたんです。
でも、最後のお弁当の時、包みを開けると、手紙が入っていたんです。

”いつもいつも、手抜きのお弁当でごめんね。いつも食べてくれてありがとう”

そう書いてあった手紙に返事を書いたんです。

”美味しかったよ、いつもありがとう”

って。」

そして続けて

「それについて、今まで一度もお母さんと話し合ったことはないんですけれど、
その冷凍食品のお弁当が、出汁の効いた卵焼きが、今も忘れられない大切な母親の味なんです。」

と、嬉しそうに懐かしむような顔をしてお話ししていたそうです。

冷凍か手作りかという事ではなく、
どんな忙しいときでも、それこそ手間暇をかけてお弁当を作ってくれていたお母さんの見守り。
その思いが、先生には伝わり、蓄積されていることを感じました。

人は、お弁当一つをとっても、「これがいいお弁当」と決め込んでしまったりしますが、
たった一回の「良いお弁当」よりも、
毎日いつも子どもの事を思い続けて作ってくれたお弁当は
「お弁当」の枠を超えた、もっと大切なことを子どもに届けてくれているように思います。

そんな、深い愛情を私自身も大切にしていきたいと思います。

ミマモリスト
眞田 海