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農・植物・発酵

自然の智慧を学ぶ

時代と共に現代にリノベーションされた築120年の古民家。先人の知恵と暮らしを取り戻すための再生。日々その姿を変えてゆく中に生まれゆく温もりとゆとりに、古より受け継がれてきた智慧を感じてください。

暮らし

玄鳥至

一昨日、4月5日は二十四節気の「清明」。

 

万物がけがれなく清らかで生き生きとした様子を表した「清浄明潔」という言葉を訳した季語で、南東から吹いてくる穏やかな風を「清明風」とも呼ぶそうです。

 

また、七十二候では「玄鳥至(つばめきたる)」。

 

「玄鳥(げんちょう)」とは燕(つばめ)の異名で、燕が南の国から渡ってくる頃という意味になりますが、燕は気温に関係なく、日照時間の長さを感知して渡りを開始するため、年によるずれが少ないといわれており、七十二候でも、この春の「玄鳥至」と秋の「玄鳥帰」が、対になった季節のめやすとして取り入れているとか。

 

燕は穀類などを食べず、作物に害を及ぼす虫などを捕食するので、益鳥として大切にされ、昔から、家内安全・商売繁盛の印として燕の巣を大事にする家も多いそうです。

 

そんなわけで、春の訪れとともに姿を現し、安全で快適な場所を見付けるとそこに巣をつくり、子育てをする燕。

 

通常は毎年新しい巣を1週間ほどでつくり上げますが、一度安心できる家を見つけると、同じ場所に戻っては巣を補修し、10年以上もの間、巣作りに毎年訪れてずっと使い続けるということもするそうです。

 

またそんな巣の材質は、枯れ草と泥。

 

それを唾液と混ぜ合わせることで、丈夫な構造体にしています。水たまりや川岸に降りた親鳥は、口に泥を含んで持ち帰り、それを壁につけたり、台に乗せたりして巣を作っていくそうで、この補修する際に必要なのが、春の雨・・・ということですから、なんだかうまくできてますね。

 

そして、枯れた草と湿った土とはまさに土壁!土壁は調湿性・蓄熱性に優れていますので、ツバメも快適にすごせているはず?!

 

都会でツバメが減ってきている理由のひとつに、こんな適した自然材料を見つけるのが大変なことがありますが、これからの季節、近所にもいくつかツバメの巣があるので、燕の大事な子育て期に注目し、見守ってみたいと思います。

 

 

かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子


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