今日のカグヤクルー日記

クルーそれぞれの理念の実践や気付きを交代で掲載しています。

2016/12/16

「防災~意識の先~」

こんにちは。女将です。

前回、防災訓練に「そなエリア東京」での体験をお伝えしました。
その「そなエリア東京(東京臨海広域防災公園)」は
首都直下地震等の大規模な災害発生時に、
現地における被災情報のとりまとめや災害応急対策の調整を行う
「災害現地対策本部」等が置かれる首都圏広域防災のヘッドクォーター、
広域支援部隊等のベースキャンプ、災害医療の支援基地として
他地区の物流コントロールセンターと一体的に機能する防災拠点施設として
2010年の夏、完成しました。

また、本部施設の他、ヘリポートと7つのヘリ駐機場もあり
海からのアクセスも良好で、国会までも8kmという近距離に位置しています。
ガイドの方の説明によると海抜8メートルのところにあり
シミュレーションによれば津波の被害の心配はないということでした。

・・・が、

ここ100年の間に平均海面水位は17cm上昇していて、
この数年でそのスピードは加速していると言われています。
現在、1年強で約3mmの上昇が観測されており、
数字だけで見ればたった3mmと思いがちですが
これは今世紀中にメートル単位の海面上昇の可能性を
示唆しているのだそうです。

そして仮に海面が1m上昇すると
マーシャル諸島は国土の80%が沈没すると言われ、
中でもツバルは、世界で最初に沈む国とされています。
その危機感から、ツバル政府は
既に住民の大移住を検討しはじめているとも言います。

では日本は?

もちろん、例外ではありません。
1mの上昇によって海面下となる土地面積は2,339平方キロメートル。
そこに住む人口は約410万人。
さらに地球上にあるすべての氷雪が融解すると
海面は6~7mも上昇すると予測されているのです。

こんな状況の中、シミュレーションで最大で3mの津波との予測のもと
海抜8メートルだから安心だなどと決して言えるものではない気がします。
どれほど科学が発達しようとも、
自然の脅威はいとも容易く人智を越えてきます。
人間がいかに万全を尽くしても、
自然の力に及ぶことなど到底できないということを
これまで幾度も思い知らされてきたのです。
どうしたって私たちは、この自然に生かしてもらっているのです。

大切なことは自然と真摯に向き合い、
敬意をもって寄り添っていくことなのだと感じます。
これまでの災害を思い返した時、
防災意識のその先に、自然への思い遣りが見えてくる気がします。

ミッションパート
佐藤真樹