今日のカグヤクルー日記

クルーそれぞれの理念の実践や気付きを交代で掲載しています。

2017/09/13

「珠玉の器」

こんにちは、女将です。

8月下旬、福岡の古民家「聴福庵」に
多くのお客様を迎えることになりました。
しかし聴福庵で使用する食器のほとんどは
どれもネットオークションで競り落とした年代物ばかり。
そのため種類も数もバラバラです。
当然、今回のお客様への振る舞いにも数が足りません。
そこで急遽つくることに・・・。

材料は神社の裏に生い茂る竹。
大きくなりすぎて始末に困っているというので
まさに一石二長です。
切り出し担当は力自慢の男性クルーと
熊本から遊びに来ていたパートナーさんです。
必要数は52節分。
“大したことない“
そんな雰囲気漂うなかノコギリを携え
颯爽と神社へ向かったふたりですが
2時間経っても戻ってきません。
さすがに皆が不安になり始めた頃
ようやく帰ってきてみると
トラックの荷台には大量の竹が!!
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話によると、竹は切れ目が深くなるごと
大きくしなり、どっちに倒れるか予測不能で、
何度も死ぬかと思ったとのこと。
竹がまるで切られるのを拒絶すかのようです。
そんな竹を使わせていただくのです。
丹精込めねば・・・・。

まず竹を節ふたつ分で切り分けます。
慣れないノコギリに手には豆ができます。
その後、真ん中から縦に割り、
ささくれ立った切り口に鉄ヤスリで平らにします。
その後、紙ヤスリで更に滑らかにしたら完成です。
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命がけ(!?)の切り出しから
腱鞘炎寸前のヤスリ掛けまで
出来上がった器は、そのすべてが一品もの。
決して一人の力では作り得なかった
魂のこもった珠玉の器です。
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ミッションパート
佐藤真樹