ドイツの小学校の授業参観してみて、その内容は教師論なのか、目指すところの違いなのかはよく分かりません。日本では、よく教師の質とか、教師の研修をするとか、授業研究をします。もちろん、ドイツでも年間の研修が、非常に厚い本に掲載されていて、その中から自分で受けたい研修を選びます。ただ、少し日本と違うのは、これは幼児教育における研修ですが、厚い本から「自分の行きたい研修に、年間5日は有給で受けることができるのです。」との説明に、研究権がきちんとあるのだということと、逆に、他は自分で休暇を取って研修に行くのだということなのです。また、「研修に行っている間の職員の補充はどうしていますか?」との問いに、同僚は、「ぜひ行ってきてください」と非常に強力的で、特に代わりの補充はないそうです。
このような事情があるにしても、今回じっくりと二クラスの授業を参観して感じたのは、教師の質の高さはもちろん、きちんとした理念、子どもたちにどのような力をつけることが大切なのかという合意がされているということです。それは、幼児教育から一貫していますし、きちんと連続しています。それが、私たちに日本との違いを感じるところでしょう。また、逆から見ると、このような小学校教育があるから、就学前教育、乳幼児教育があるのだということです。その中心となるものが、どうも「陶冶」なのでしょう。しかし、4年生までの小学校を終えると、知識の伝達が中心の授業になるようです。それは、ギムナジウムではラテン語などが入り、レアールシューレでは、職人になるための知識を学んでいきます。そのことが脳の臨界である7、8歳ころまでが幼児教育とし、それ以降は初等教育という授業内容なのです。
幼児教育ということで、子どもが自ら体験したり、手で触ったり、見たりと五感を使った授業が展開されるのです。

このことは、教室のレイアウトにも表れていますし、教室内の掲示物でも表れています。私が2時間目に参観したクラスには、そのクラスの担任が2年生のころの写真と、そのころ使っていたランドセルやノートが展示されていました。


小学生の下校とともに私たちも小学校を去るときに、道路で日本でいう緑のおばさん(ドイツでは若い女性なのでもしかしただ保護者かも)が、交通整理をしていました。