人間関係の構築

私が保育について最近最も興味のあるものは、「人と人とのつながり」です。いわゆる人間が、社会を形成していく過程に、とても興味を持っていて、しかも、そのために私たち人類は、生まれる前からその準備を始めているのではないかと思っているのです。その関係は、もちろん母子から始まる場合が多い(そうでない場合もありうるので、どのような状況にも対応できるように母親以外にもつながりを持てる用意がある)のですが、次第にそのつながりを広く、深くしていきます。そこに、私は保育の役割があるのだと思っているのです。

このつながりは、AIの進展によって、まずます重要になってきています。ヒトは、どのようにつながっていけばいいのか、そのつながりが自分のためになるには、どのように考えたらいいのかということを、ブレグマンはヒントを与えてくれました。こんなことをある本のあとがきに書いてありました。「人とのかかわり・つながりは、歴史をつくっていきます。教育の現場でも、国家でも、大企業でも中小・零細企業でも、スポーツチームでもすべて同じです。どんな組織も人は人との間で磨かれ、心が通じ合った時に予想以上に素晴らしい仕事ができます。一度その喜びを知ったなら、誰もが人とつながった仕事や営みの虜になるでしょう。」

このあとがきは、「武器としての組織心理学」(ダイヤモンド社刊)のなかの最後にあります。これを書いたのは、産業・組織心理学者である山浦一保さんです。ここに引用した人と人のつながりは、子ども同士ではなく、職場において当てはまることかもしれません。しかし、どのような社会を築いていくかを考えることは、子どもを支える私たちは、特に必要なことかもしれません。それに反して、どうも、最近は、そのつながりを面倒だとか、ストレスであるとかと考える人が多くなった気がします。彼は、さらにこう続けています。「組織に属する人それぞれの言い分がありながらも、1つ屋根の下で同じ目標を目指す。時間や空間を越えても繰り返されているこのことには意味だあるはずです。そこにある言葉や出来事に、人間らしさや人がつながって活動することの本質が投影されているとしたら、人間関係という面倒なことに対峙することで見えてくるおもしろさもたくさんありそうです。」

こんな彼の本を抜粋ですが、紹介したいと思います。まず、本のタイトルにもある「組織心理学」とはどういうものかを、「はじめに」に書かれてあります。「働く私たちの悩みの9割以上は、人間関係に関するものだと言われるほど、日常は人間関係の問題で溢れています。組織心理学とは、組織のトラブルの原因を突き止め、うまくいっている集団に共通する「リーダーシップ」や「人間関係」を明らかにする学問です。」とあります。その問題は、彼は科学的・客観的な根拠をもとに考えています。しかし、例えば、リーダーシップについて語る時にも、成功者の経験則で語られることが数多くあると言います。それを否定するのではなく、そのような経験則が生かされるためにも、人間の心のゆらぎ、人と人のかかわりの中で生まれる「何か」について、心理学ベースで理解し、共有しようとしているのです。

彼が本題に入る前に、最初に例を出しているのは、とても興味深いものがあります。こんな質問をしています。「リーダーとなって結果を出せるチームを作ろうとしたときに、次のどちらのチーム作りを選択するか」という質問です。