環境問題に取り組んでいる、紹介したこの国の三つの主要な地域のPMTは、いずれも、まず最初の段階で情報を提供し、環境のプログラムを継続して支援するための、技術コンサルタントのネットワークをつくったそうです。子どもたちが全国から集まった生態学者と一緒に活動すれば、実行が難しいような活動を選んで、失敗をしなくてすむだろうと期待されました。生態学の専門家のネットワークは、子どもたちや、このプログラムを推進するプロモーターたちが使う多くの小冊子をつくる協同作業にも役立ったそうです。
このプログラムの中心となる考えは、各都市の青年のグループを、環境グループのプロモーター(アニメーターあるいはファシリテーター)として活動できるように訓練することだと言います。PMTは、子どもの参画を年齢別の二重構造にする、つまり4人か5人という少人数の青年のグループが、80人ぐらいの10代初めの子どもたちと一緒に活動するというやり方を生み出して、人数を増やすのにたいへんよい効果をあげました。各都市は、これらの青年グループのトレーニング・プログラムとして、役立つように、地方ごとの攴暖グループをつくりました。こうして注目すべき全国的な構造ができると、PMTは、1993年3月にそのプロジェクトの第1段階に踏み切りました。
最初このプロジェクトは、1年計画事業と見なされていたそうです。というのも、PMTの子どもたちは、毎年国連子どもの権利条約から新しいテーマを選んで活動することになっていたからだそうです。この運動の勢いをさまざまな他の組織にも伝わっていくほど強力なものにすることが、彼らの初めからの考えだったそうです。多くの学校が、環境のプロジェクトに対する子どもたちの熱中ぶりに影響を受けたのは確かだとハート氏は言います。しかし、斬新な課外活動に対して、伝統的に抵抗しようとする公立学校のことや、学校が周辺コミュニティの活動に、子どもを参画させようとして失敗した例は、ハート氏が紹介した通りです。PMTは、毎年国連子どもの権利条約の違ったテーマで活動を続けているそうですが、環境のテーマは、子どもたちにとって非常に興味深く、またコミュニティの支援も得られるので、ほとんどのエスパシオス・アルテルティヴァスの活動の中心であり続けているのです。そして、これらのスペースの多くは、いまでは環境の開発を継続して診断し、行動するための基盤となる3次元の地図を備えています。
世界中の何千もの子どもの団体、例えば環境保護クラブ、自然史グループ、環境行動グループなど、あるいは「地球の友」やエコロジークラブのような環境問題の全国組織の下部組織のような団体が、何とかして環境保護に取り組もうとしています。これらのなかには、コミュニティに足場を置いているものもありますが、多くは学校が拠点になっているそうです。しかし、それらが民主主義的な構造であることはめったにないとハート氏は言います。彼は、自分の知る限り、持続可能な開発のもう一方の側、つまり経済の問題と生活問題に焦点を当てたコミュニティ開発に取り組んでいる、子どもの組織は、ないと言います。子どもたちは主として環境を守り、改善することに関心をもつべきで、経済問題は大人が考えることだという考えは、一見適切なように見えるかもしれません。