コンストラクトのリスト

知識、スキル、態度及び価値観という3つのドメインに含まれる具体的なコンストラクトの基準として、OECD事務局から6つの提案が示されています。

1,定義(definition):明確で、一般に使われていて、理解されている定義があるか。

2,2030年という未来との関連性(relevance for 2030):2030年の未来のウェルビーイングを作り上げるために、人々を支援するものになっているか。

3,影響力(impactfulness):学業面での成果や社会的な成功など、生徒の将来の結果に影響があるか。

4,相互関連性(interrelatedness):当該コンストラクトの発達が、他のコンストラクトとどのように関連しているか。

5,教育可能性(malleability):教育を通して発達していく可能性はあるか(本人が生まれもった、変わらない性質であるということはないか)。

6,測定可能性(measurability):比較可能な数量的な指標などの方法によって、測定できるか。

この基準に従って、各国の行政官や各分野の専門家による議論を通じて選ばれたのが、37項目で示されたコンストラクトのリストです。なお、ここで示されているコンストラクトについては、あくまでもEducation2030プロジェクトとして、 6つの基準に従って判断したものであり、これらをもって包括的なものとするものではなく、ここに掲載されていないコンストラクトの重要性を否定するものでもないことには留意しておきたいと白井氏は言っています。

では、どのようなものがコンストラクトとして挙げられているのでしょうか?

1.適応力、2.協働性、3.認知的柔軟性、4.思いやり、5.紛争解決、6.創造性、7.批判的思考力、8.好奇心、9.共感性、10.平等・公平、11.グローバルな考え方、12.目標指向(e.g.粘り強さ)、13.感謝、14.成長志向の考え方、15.希望、16.アイデンティティ、17.誠実さ、18.正義、19.手先の器用さ、20.メタ学習スキル(学習方略スキルを含む)、21.マインドフルネス、22.モティベーション、23.開かれた考え方、24.他者視点の獲得、25.積極性、26.問題解決能力、27.目的、28.省察的思考、29.レジリエンス、30.自他(文化的多様性や環境を含む)への敬意、31.責任。32.自己意識、33.自己意識、34.自己効力感、35.自己調整・自己管理、36.あいまいさの許容、37.信頼、となっています。

このコンストラクトのリストは、アルファベット順に掲載されているため、様々な種類のコンストラクトが整理なしに掲載されているように見えるかもしれないと白井氏は言います。実際、一般に認知的スキルとして位置づけられる「批判的思考力」や「間題解決能力」と、社会的スキルとして考えられる「協働性」、情動的スキルとして考えられる「自己意識」や「自己調整・自己管理」「モティベーション」、態度として考えられる「敬意」や「共感性」、「開かれた考え方」、「信頼」、価値観として考えられる「平等・公平」や「正義」、「責任」など、様々なコンストラクトが混在しながら掲載されています。