態度とは

ラーニング・コンパスにおいては、態度及び価値観を、「個人や社会、環境に関するウェルビーイングの実現に向けて行う、個人の選択や判断ふるまいや行動に影響を与える主義や信条である」と位置づけています。コンセプト・ノートにおいて示されている定義によると、「価値観」とは、「公私を問わず、人生のあらゆる場面において、意思決定を行うに際して人々が重要だと考えることを下支えする指導原理」のことであり、「一定の判断を行うに際して、何を優先するかとか、改善のためにどうしたらよいのかといったことを決定するもの」です。また、「態度」とは、「価値観や信条によって下支えさえ得るものであり、その人がどのようにふるまうかに影響を与えるもの」であり、「特定の物事や人物に対して積極的または消極的に反応する性向を表すものであり、態度は特定のコンテクストや状況によって変わってくるもの」とされています。

「態度及び価値観」については、似たような意味を表すものとして、各国や国際機関、シンクタンク等が示している学習枠組みであるとか、研究者による研究上での使用に際して様々な用語が用いられています。例えば、affective outcomes(情意的帰結)、aptitude(適性)、attributes(属性)、beliefs(信念)、dispositions(性向)、ethics(倫理)、morality(道徳性)、mindset(考え方)、social and emotional skills(社会・情動的スキル)、soft skills(ソフトスキル)、virtues(美徳)またはcharacter qualities(キャラクターの質)といったものです。ラーニング・コンパスでは「態度及び価値観」という言葉を採用していますが、そもそものプロジェクトの目的が、他の提案を排除して概念や用語の統一を図ることではなく、様々なコンピテンシーの枠組みに対して共通言語と共通理解という大枠を提供するということであるので、これらの表現を必ずしも排除するものでないことには留意することが必要であろうと白井氏は言うのです。

また、価値観についてはそれが問題になる場面や文脈によって捉え方も変わってくるだろうと言います。コンセプト・ノートでは、以下の4つに分類しています。

・個人としての価値観:一人一人が、どのような人間なのか、また、充実した人生を切り拓き、目標を達成していくために、どのようなことを期待するのか、といったことに関するもの。

・対人関係における価値観:人間関係の在り方に影響を与える原則や信条であり、他者に対してどのようにふるまうかとか、対立が生じる場合も含めて、他者との関係にどう対処するのかといったことに関するもの。それぞれの文化を反映するものでもあります。

・社会としての価値観:その文化や社会における優先事項や共通する原理・原則、社会の秩序や組織における生活を形作るような指針を規定するもの。こうした価値観社会や組織における構造や文書、民主的な実践において大切なものとされていたり、あるいは世論において認められているような場合に残り続けるものです。

・人間としての価値観:対人関係における価値観と重なる部分が多い。国連人権宣言やSDGsなどの国際的に合意された文書に示されることが多い。