太陽モデル

コンセプト・ノートにおいては、ハートによる梯子モデルに加えて、共同エージェンシーの太陽モデルが示されています。これは、Education2030プロジェクトにボランティアで参加している、各国から集まった大学生や高校生のグループからの提案によって作られたものだそうです。

直線か、円形かという点は別にして、基本的な構造は梯子モデルと同じですが、このモデルが作られた背景には、Education2030の会議に参加した大学生や高校生たちの、梯子モデルに対して抱いた素朴な違和感があったそうです。すなわち、学生たちが疑問視したのは、エージェンシーの発達は梯子をのぼるように一方向的に進むものではなく、行ったり来たりするような循環的な関係があり、梯子モデルでは、そうした性格が十分に表現されていないのではないか、と考えたことにあったそうです。

また、太陽モデルの場合、梯子モデルと異なる点として、新たにレベル0として、9つ目の段階である「沈黙」が設定されていることが挙げられます。その趣旨は、レベル0という、生徒がいっさい貢献しようと考えておらず、沈黙を維持しているような極端な場合を除き、レベル1以上の全ての場合において、基本的に、生徒は意思決定に参画しようとする意思をもっていることを表そうとしたことがあります。すなわち、レベル1からレベル3という共同エージェンシーのレベルが低い段階においても、潜在的に、生徒は共同エージェンシーが発揮できることを希望しているというのです。それにもかかわらず、大人によって、貢献する機会が与えられていないということを強調しようとしているのだそうです。

こうした学生・生徒のグループからの提案を積極的に生かしていこうとするのも、 Education2030プロジェクトの特徴の一つなのです。

学生グループがアレンジした説明を整理すると、以下のようになります。

( 8 )生徒主導(大人との対等なパートナーシップの下で意思決定を行っている):生徒と大人との対等なパートナーシップの下で、プロジェクトが進められています。生徒がプロジェクトを主導し、意思決定は生徒と大人の協働で行われます。

( 7 )生徒主導(生徒主導による意思決定を行っている):大人の支援を受けながら、生徒がプロジェクトを主導しています。大人は相談を受けたり、生徒の意思決定を助けていますが、全ての意思決定は究極的には生徒が行っています。

( 6 )大人主導(生徒も意思決定にかかわっている):プロジェクトの主導は大人が行っていますが、生徒も意思決定のプロセスに加わっています。

( 5 )大人主導(生徒にも情報は与えられていたり、意見が採り入れられたりする):プロジェクトをどのように進めていくかについて、生徒は大人から相談されたりその結果について知らされていますが、プロジェクトの主導や意思決定は大人が行っています。

( 4 )大人による指示(生徒に情報は与えられているが、意思決定にはかかわっていない):生徒は特定の役割を与えられており、どのように、また、なぜやるのかについて知らされています。しかしながら、そうした自分たちの位置づけについて、生徒が主導したり意思決定を行うことには参加していません。

( 3 )見せかけ:大人が生徒に選択肢を与えているように見えますが、その中身や参加方法については、ほとんど、あるいは全く選択肢がありません。

( 2 )装飾:大人が自らの主張を強化するために、生徒を利用しています。

( 1 )操作:生徒主導であるかのように、大人が生徒の主張を利用しています。

( 0 )沈黙:大人も生徒も生徒が貢献できるとは考えておらず、大人が全て主導し、全ての意思決定を行う一方で、生徒は沈黙しています。