何がニュー・ノーマル

次の「非線形の発達モテルを想定する」ということについては、私たちが目指している保育の一つの形への変化ですが、このような言い方をするということを学びました。それは、このようなことです。従来型の教育では、カリキュラムは、主に年齢に着目した標準化された内容で、線形の発達モデルに基づいて、標準化された内容でデザインされる傾向がありました。しかし、生徒一人一人にそれぞれの学習経路があり、また、学校に入る段階でも、それぞれの家庭環境などの違いによって、既に知識やスキル、態度などが異なっているのは当然です。ニュー・ノーマルでは、そうした違いを前提にしながら、非線形の発達モデルを考えていくことを考えていかなければならないというのです。保育でも、おおむねの発達過程に沿って、年齢に着目した線形の発達モデルに基づいて、標準化された内容でデザインされてきました。それを見直そうというのです。

次は、「学習評価を学習の改善に活用する」です。従来型の教育では、生徒の評価の中心が標準化されたテストのスコアなどに置かれがちでした。もちろん、それも学力の一つの重要な側面ではあるでしょう。しかしながら、ニュー・ノーマルでは、評価もより多様な観点から行われることが考えられるというのです。その際、例えば、評価を「学習の評価」、「学習のための評価」、「学習としての評価」として捉える考え方があるそうです。「学習の評価」は、文字通り、生徒の学習状況について評価するものです。これに対して、「学習のための評価」は、学習改善につなげるための評価であり、形成的評価につながる考え方として理解されています。「学習としての評価」とは、自分の学習状況についてメタ認知して次の学習につなげるものであり、評価すること自体が学習へのステップとなるとする考え方です。評価を評価として終わらせずに、どのように学習の改善につなげていくかということがポイントになるのです。

そして、「システム改善の視点から建設的双方向的なアプローチを行う」です。従来型の教育では、学校は一定の目標(例えば、標準化されたテストにおける一定レベルの成績の達成など)を達成するために、保護者や生徒に対する説明責任を果たしているかとか、法令や各種のルールを守っているかといった細かいコンプライアンスへの対応に追われがちでした。ニュー・ノーマルでは、こうした対応ができているかといった結果を細かく追うことよりも、システム全体をどのように改善していくべきかというフィードバックを重視し、より建設的・双方向的なアプローチを重視することが考えられると白井氏は言うのです。

次は、「生徒の能動的な学習への参画を重視する」です。これは、前に述べた役割分担にも関係しますが、従来型の教育では、「教師は生徒に指示し、生徒は教師の指示を受ける」という関係が強く、生徒は受け身の存在になりがちでした。これは、保育にも言えることですね。ニュー・ノーマルでは、生徒もエージェンシーを発揮して教育に積極的に参加し、教師と協働する存在として期待されることになると考えられます。例えば、いくら自分自身で努力して改善に取り組んだとしても、教師が自分の考えだけで授業を展開するよりも、生徒の意見に耳を傾けて、自分では気づかなかった点を含めて改善していくほうが、教師の指導力向上にもつながるのは明らかだろうと言うのです。教師と生徒の協働によって、学校や授業自体がより良いものになっていくことが期待されるというのです。