経済面の変化

中央政府に対して信頼ができるか、という問いに対して肯定的に回答する者の割合は、 OECD平均で43 %だそうです。政府に対する国民の信頼度が高い国としては、スイス、ルクセンブルク、ノルウェ一、スウェーデンなどが上位にあり、下位にはギリシャ、チェコ、日本、ハンガリーなどが入っています。ちなみに、高いスイスは82%で、日本は18%とかなり低くなっています。この政府に対する国民の信頼度は、数か国を除いて、ほとんど国では若者の方が高くなっています。各国が世界金融危機の影響を受けた前後である2007年から2012年にかけての変化を見ると、多くの国でポイントの低下が見られますが、逆に上昇に転じている国もあるようです。これは、どの国でも数値的には差はあるものの、若者においても全体と同じ傾向があるのですが、日本は、全体ではおおむね7%くらい低下しているのに対して、若者では、微妙に上昇しているのです。これは、あまり他国では見られない傾向です。

次に5番目の変化は、「テロやサイバー犯罪の増加」が挙げられています。一般的な犯罪に加えて、近年増加しているのがテロやサイバー犯罪です。世界全体におけるテロ行為の約60 %はイラク、アフガニスタン、パキスタン、ナイジェリア、シリアの5か国で起きているのですが、この5か国以外の国におけるテロも増加しており、全体として増加する傾向を見せているようです。

また、インターネットを介したサイバー犯罪として、例えば、オンラインでの詐欺や、偽物・違法コンテンツの取引なども活発化しています。実際、EU諸国を対象にして行った調査では、約85%がサイバー犯罪の被害者になるリスクが高まっていることを感じていると回答しているそうです。

以上が社会における変化ですが、次に2つ目のカテゴリーとなるのが経済面での変化です。具体的には、経済的な格差の拡大、雇用のオートメーション化、失業などが挙げられています。

1番目の「経済的な格差の拡大」です。経済的な格差自体は、昔から存在した古典的課題であって、決して現代的課題というわけではありません。しかしながら、現代における課題として明らかになってきたのが、「富める者」と「そうでない者」の格差が拡大していることにあると言われています。とりわけ、現代では「富める者」の中でも特に「上位1 %」と呼ばれる超富裕層に富が集中しているのです。20世紀前半には、 GDPシェアにおける上位1 %の割合が急激に低下しましたが、1950年代以降は横ばいの状況が続いていました。それが、1980年代初頭以降になると、上位1 %によるシェアが急激な拡大を続けているのです。これは金融市場の自由化や限界税率の引き下げ、コンピュータ革命の開始などと同時期に生じていると言われています。アメリカにおいては、こうした動きが最も顕著に見られており、1970年代後半では、同国の上位1 %の家庭が国民所得に占める割合は10 %強であったものが、 2010年代前半には20 %前後へと概ね倍増しています。