就職の男女差

PISA2012で最も顕著な調査結果の一つは、男子と女子が数学的リテラシーで同等の成績を収めた場合でも、教員は数学の成績で男子よりも女子に常に良い点数をつけていたことだそうです。これは、女子が「良い生徒」だからかもしれません。つまり、女子は出席率が高く、目上の人に敬意を払う一方、男子は自制心に欠けている可能性があります。しかし、点数の高さは学校での成功を意味する一方、長い目で見れば必ずしも女子に有利な状況を与えているとは限りません。特に、そのことで意欲が失われてしまう場合です。労働市場では、知識、そしてその知識を活用して実行できることに対して報酬が与えられます。決して学校の成績に対してではないのです。

PISAによると就職の際、女子は男子よりもインターネット検素で将来の研究やキャリアの情報を得ることが多く、男子は女子よりも実体験、インターン活動、ジョブシャドウイング、就職フェアへの参加、学校外のキャリアアドバイザーへの相談等の経験から情報を得ることが多いそうです。これは、雇用主やキャリアカウンセラーには、女子が将来のキャリアの可能性を知るために取り組むべきことがあると示していると言います。

驚くべきことに、おそらく15歳時点における読解力の男女差は、16歳から29歳までに事実上消減するようです。なぜでしょうか?OECD国際成人力調査のデータによると、若い男性は若い女性よりも職場や自宅でより多く読解する機会があるようだとシュライヒャーは考えています。これは教育やスキルのジェンダーギャップを狭める、あるいは根絶する方法が多数あることを示していると再度繰り返しています。必要なのは、保護者、教員、学校管理職、雇用者に協力を求めて、男子と女子に同等の機会を与え、学習を励していくことだと言うのです。

ハンマーを持つ人には、あらゆる問題が1本の釘のように見えるようです。安全保障事業に従事する人には急進主義やテロへの答えは軍事力、金融業に従事する人は資金の流れを切ることがその答えと見る傾向があります。教育者が過激主義との闘いを心理戦とみなすのも当然のことです。したがって、2016年にロンドンで開催された教育世界フォーラムで約90人の教育大臣が会話の中で繰り返しこの間題に触れたことは驚くべきことではありませんでした。

同時に、特にヨーロッパでのテロ攻撃は、過激主義者やテロリストを貧困あるいは質の低い教育の犠牲者であるとみなすのは、あまりにも短絡的な考えであるとシュライヒャーたちは痛感したそうです。過激主義者やテロリストの背景や略歴をより詳細に調査することは必要ですが、これらの人々が必ずしも社会の最も貧困な地域の出身でないことは明らかだと言います。また急進派は、正規の教育を修了した中級家庭出身の若者の中にも見られるようです。皮肉なことに、これらのテロリストは21世紀の教育の基盤である起業家精神、創造的で協同的なスキルを身につけているようです。

しかし、だからとい、より公正で人間的で、包括的な世界をつくるための最も強力なツールとしての教育を見限る理由はないと言います。過激主義者が繁栄するのは分断された社会です。若者は、対立した世界観によって自己像、自信、他者への信頼が脅かされた時、過激な考えを受け入れるようになるのです。