スタートする機会

生徒が新しい言語を完全に習得するまで通常の学習を遅らせないことが最善であり、そのための重要な方法の一つとして、言語の教員と担任の教員が緊密に協力することがあります。それとは別の方法として、言語の発達段階に合わせた質の高い幼児教育があるとシュライヒャーは言っています。早期教育プログラムにより、移民の子どもたちが移民でない子どもたちと同じように学校教育をスタートする機会をさらに増やすことができると言うのです。対象を絞った家庭訪問は、子どもたちの早期教育への参加を促し、子どもたちの家庭学習を促すことにもつながると言うのです。

この早期教育というのは、私はもともとの英語ではどのように表記されているのか、また、シュライヒャーはどのような内容のことを考えているか定かではありませんが、ほかのOECDの取り組みを見ると、日本でいうような幼児塾などで行われているような早期教育ではなく、早い時期からの取り組みというような意味だと思います。学校教育からではなく、早い時期からのスタート、すなわち「Starting Strong」ということであり、最近の主張は、そのスタートは0歳児から始まると主張しているのです。そして、この取り組みにおいて、質の高い乳幼児期サービスがもたらす利益について述べています。現在では、その後何度か改訂版が出されていますが、日本でいうと頃の早期教育である、早い時期から英語をやるとか、いろいろなことお覚えさせるようなことではないのです。

そうは言っても、研究によると早期教育だけでは十分ではないことがわかっています。成功への鍵は、恵まれない環境にある子どもが、家庭では習得できないような認知的、社会情動的スキルを向上するための支援です。

三つ目の効果的な政策は、移民の子どもを受け入れる学校で、専門的知見を培うことだと言います。これは多様な生徒一人ひとりに合わせて指導方法を調整し、第二言語習得を支援するために、教員に特別な訓練をおこなうことを含むかもしれないと言います。また、これは惠まれない子どもや移民の子どもを教える教員の離職率を減らし、優秀で経験豊富な教員がこのような学校で働くのを促すことになります。特に最近になって移民が増えた国々では、少数民族を移民の教員の採用を増やせば、ますます多様化する生徒と大部分の教員との間で拡大する格差が逆転していくことにもつながると言うのです。

さらに困難な問題は、移民の子どもが、成績が芳しくない同じ学校への集中を避けることだと言います。自国の生徒の成績向上にに苦戦する学校では、授業を受ける言語を話せない、理解できない生徒にさらに悪戦苦闘するだろうと言います。各国は、移民の子どもや他の恵まれない子どもが特定の学校に集中しないように様々な方法をとっているようです。一つ目は、恵まれた子どもを含む他の生徒をこれらの学校に惹きつけること。二つ目は、移民の保護者に学校選択の方法について十分な情報を与えること。三つ目は、恵まれた学校による生徒の選抜を制限することだと言うのです。

二つ目の方法は、習塾度別クラス、早期振り分け、留年制度を含む選択制度の制限にかかわります。職業訓練校や普通校などの異なるタイプの教育への生徒の振り分けは、若年齢でおこなわれると移民の生徒にとって特に不科です。普通クラスの生徒から早期に分離させられると、移民の生徒は学校で良い成績を取るために必要な言語や文化にかかわるスキルの向上を妨げられるかもしれないと言うのです。