グローバルな問題

PISAがグローバル・コンピテンシーに含まれる能力を定義の中で挙げているものには、以下のものがあります。

「地域、グローバル、文化的な意義を検討する」これはグローバルな問題について意見を示す時に、世界に関する知識と批判的思考を組み合わせる能力です。グローバル・コンピテンシーを有する生徒は、字校で身につけた学問知識と考え方を活用し、組み合わせることで、質問し、データや主張を分析し、現象を説明し、地域、グローバル、文化的な問題への立場を明らかにできるのです。また、メティアから情報を入手し、分析し、批判的に評価し、新しいメディアコンテンツを作成できるということを言っています。

ここには、最近の課題であるキーワードがいくつも含まれていますね。批判的思考というクリティカルシンキング、組み合わせるというつなげる力、コラボレーション、データや情報の入手と分析、これらがこれからの教育を考える上で重要だということは、どこでも主張されていることです。

次の能力は「他者の視点や世界観を理解し、評価する」です。ここでは様々な観点から国際的な問題を考える意欲や能力に着目します。個人が異文化の歴史、価値、コミュニケーションスタイル、信条、慣行等について知識を得るにつれ、その観点や行動は多くの影響を受けて形成されること、そのような影響を常に完全に認識しているわけではないこと、他者は自分たちとは異なる世界観を持っていることに気づき始めます。異なる観点や世界観にかかわると、他者が想定する起源や意味合いと自身が想定することの違いを見極める必要があります。自身が他者と違っている資質を認め、評価する人々は、日常生活における不正行為を容認する可能性が低いのです。一方、この能力が発達していない人々は、「異なる」人々に対して固定観念や先入観、無意識のうちに誤った判断をする傾向があります。

次は、「オープンかつ適切で効果的に異文化と交流する」です。グローバル・コンピテンシーを有する人々は、自身の行動やコミュニケーションを異文化の他者に合わせて交流できます。丁寧に会話しながら他者を理解しようとし、マイノリティ集団にも溶け込もうとします。ここではオープンかつ適切で効果的なコミュニケーション方法によって、他者との違いを橋渡しする各個人の能力を重視します。「オープンな交流」とは、全ての参加者が他者および他者の観点への理解や好奇心、受け入れようとする気持ちを表す関係性を意味します。「適切な交流」とは、両方の当事者の文化的基準に配慮した交流を指します。「効果的なコミュニケーション」とは、全ての参加者が自身の意見を他者に理解してもらい、他者の意見を理解できることです。

最後は、「集団のウェルビーイングと持続可能な開発のために行動する」です。これは若者を社会における活動的で責任ある役割を担うものと位置づけ、一人ひとりが各地域や国際的な問題、あるいは異文化間の問題や状況に対応する準備ができているかどうかを指します。つまり、若者が身の回りのことや地域に大きな影響を与えられるということです。この意味で能力がある人々は、情報を得て、思慮深い行動を起こし、自分の意見を発信する機会を作ります。行動には、人間としての尊厳が脅かされたクラスメートのために立ち上がること、学校でグローバルなメディアキャンペーンを始めること、ソーシャルメディア上で難民危機について自身の主張を広めること等が挙げられます。

グローバルな問題” への5件のコメント

  1. このように言葉で定義したことを、具体的にどのように教育実践へ落とし込んでいくのかが重要で、興味深いところです。
    また、こうした人材を育成する為には、やはり乳幼児期の教育は欠かせないものであると考えます。子どもたちが無意識的に持つ、価値観は乳幼児期に育まれるものでしょう。

  2. まさに見守る保育、藤森メソッドが目指す方向とグローバル・コンピテンシーがいかに共通しているかということを感じる内容でした。「グローバルコンピテンシーを有する人々は、自身の行動やコミュニケーションを異文化の他者に合わせて交流できます。丁寧に会話しながら他者を理解しようとし、マイノリティ集団にも溶け込もうとします」とありました。その前の「他者の視点や世界観を理解し、評価する」という部分では知識としてあらゆる価値観を理解することの大切さ、違っていることの必然さを知るというようなことを感じました。そこから次は知ろうとする姿勢、理解しようとする気持ちを育てていくことが重要になってくるということですね。異なる他者がいることを当たり前に感じ、過ごしていることが重要になってくると思うのですが、これは乳幼児からの関わりをいかに作っていくかという藤森先生の考えにもまさに当てはまることです。様々な教育方法がありますが、これからの時代を生き抜いていくための重要な力はやはり見守る保育にありますね。

  3. 「地域、グローバル、文化的な意義を検討する」「他者の視点や世界観を理解し、評価する」「オープンかつ適切で効果的に異文化と交流する」「集団のウェルビーイングと持続可能な開発のために行動する」。これらが、PISAが示すグローバル・コンピテンシーに含まれる能力であるとありました。最後の言葉を抽出すると、「検討」「理解・評価」「交流」「行動」です。思慮深く、物事を見極めていく過程とコンテンツは、検討と理解・評価に結びつき、コラボレーションやコミュニケーションは「交流」「行動」に繋がりますね。キャシー氏らの6Csが思い出されますね。とかく、グローバルな人材というのは、海外で必要になる能力という認識ではなく、自分たちがいる場所そのものでも活用できる能力であると認識する必要がありますね。

  4. これから向かい行く世界の方向性を今回のブログの内容は示しています。「若者」とか子どもたちの育ちの観点から言われていることでしょう。しかし、私は、大人を自認する人々、そして何より「老後」がどうのこうとか、「後は若い人たちに託す」などと言って、未来のことは知らん、体でわがままに生きる私を含めた世代及びそれ以上の世代こそ気に留めるべき内容だ、と思いました。グローバルに考え、足元で行動する、ということが求められます。他者を受け入れる、異なる文化の保持者をそのものとして認める、そうした態度を私たち日本人の大人たちは意識する時が来ています。スキルでは若者たちに劣りますが、屁理屈をこねて新たな可能性に関して提案する自由と権利を私たち日本人の大人たちは持っています。シュライヒャー氏の言に耳を傾け、考え、できることを実行する。臥竜塾ブログの内容は、40代以上の皆さんにしっかり、じっくり読んで頂きたいですね。

  5. グローバル・コンピテンシーの能力を読んでいくと、グローバルに活躍できる能力というのは、そんなに特別なものでもないということになるんだろうということを思いました。まずは、自分たちがいる小さな社会の中でどのような生活をしていくのか、ということが基盤にあるような感じがしました。そして、そこで研ぎ澄まされていくことで、グローバルな活躍というのがあるのでしょうね。ということは、その日その時の日常をコツコツと大切にしていくことがグローバルに活躍できる力の基本であることを改めて思いました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です