PISAショック

PISA2000の発表後に、いわゆるPISAショックが各国を襲い、各国では教育改革に取り組んでいきます。ポーランドでは、学校制度の徹底的な見直しにより、学校間の教育成果のばらつきを軽減し最低レベル校を改善することで全体として学年の半分以上に匹敵する成績アップを遂げました。ポルトガルはコロンビアやペルーと同様に、まとまりのなかった学校制度を統一して全般的な成果を向上させることができました。ポーランドは学校制度の徹底的な見直しにより、学校間の教育成果のばらつきを軽減し最低レベル校を改善することで全体として学年の半分以上に匹敵する成績アップを遂げました。

このようなテスト行うと、自国の教育方法をよしとし、結果を素直に認めないのはいつの世でも同じようです。この結果における相対的地位は、社会文化的要因を反映していると主張した人がいたそうです。しかし、各国のさまざまな取り組みを見て、今は、教育の改善は実際に可能なのだと認めざるを得ない状況を生みました。

エストニアとフィンランドは、ヨーロッパの教育関係者と政策立案者の視察国として最も人気があるそうです。この2か国では、子どもたちは6歳になると学校に入学し、授業時間は他の多くの国や地域と比べて短いそうです。この世界が注目する取り組みは、時間数を増やした日本とは正反対ですね。しかし、15歳になるまでに、この2か国のどの社会経済的スペクトラムに位置する子どもたちも世界のトップレベルに入るそうです。また学校間のばらつきがほとんどなく、学校システム全般において質の高さと均質性の保持に成功しているそうです。

PISAの開始当初、成績が良く、教育システムの急速な改善を見せていたのはほとんど東アジアの国だったそうです。実際は学びの定着にあたるものがドリルと反復練習として誤解される場合があるため、西欧ではアジア諸国の成功を生徒への強いプレッシャーと丸暗記によるものだとみなしがちですが、この結果はそうした西欧の一般通念を揺るがせたのです。

PISAで好成績を取るには丸暗記だけでは不十分です。2012年にPISAが最初の創造的間題解決スキルの評価をおこなったとき、多くの評論家は国際評価一覧の順位が逆転するか、少なくとも東アジアの得点はかなり低くなると予想しました。しかし、トップとなったのはシンガポールだったのです。シンガポールは一世代で、開発途上国から最新の工業経済圏へと変容を遂げた国です。先日12月9日にPISAではなく、TIMSSという「国際数学・理科教育動向調査」の2019年の結果が発表されていました。この調査は、小学4年、中学2年を対象に算数と理科の学力を測るものですが、全てにおいて、シンガポールがトップでした。2年連続だそうです。

シュライヒャーが2014年3月にシンガポールでこの結果を発表した際、当時のヘング・スウィー・キート教育大臣は、シンガポールが創造的で批判的な思考、社会情動的スキル、人格形成にいかに点を置いているか強調したそうです。シンガポールというと未だに市民の社会参加、政治参加が遅れているというイメージがありますが、西欧諸国がほとんど気づかぬうちに、シンガポールの教育は静かな革命を成し遂げていたのです。シンガポールは今や教育機関の質においても、革新的な教育政策の立案や実施における教育者の関与の深さについても一歩先を進んでいると言われています。