新しい学び

健康で思慮深く思いやりがあり、他者と関わって生きる幸せな子どもが育ち、彼らが他者と協力し創造的で自分の能力を存分に発揮し、責任感溢れる市民となることが「成功」するということであり、幸せに人生を送るということであるという、この壮大な考えの核心にあるのは子どもが6Csを学び、自分達が生きる世界をより良いものに変えてゆこうとするグリットを発揮するのを支えることです。リナルディが好んで言うことだそうですが、これこそ「私達に課せられた使命」なのです。私達はこれからの子ども達にとって本当に価値のある教育を新たに作り出さなければならないのだとキャシーは言うのです。

そのために、自分達の家庭、学校、地域を、新しい学びを育てる場に変えようという提案をキャシーはしています。

レゴのアイデア会議がデンークの小さな町ビルンで開かれ、新しい教育潮流を起こそうとしている300人の同志が集まり、会場はとても盛り上がっていたそうです。集まった顔ぶれは……あの有名なパフォーマンス集団ブルーマンのコンセプトを活かしてマンハッタンにブルースクールという名の創造的な学校を作ろうとしている人。ヨルダンで子どもの早期教育に携わっている女性。創造的でクリティカルシンキングの力を伸ばすように中国の教育を改革することを目論む香港の科学者。シアトルにあるハイテックハイの校長。ハーバード大学のフロンティア・オブ・イノベーションという研究所の代表。ティーチ・フォー・アメリカ、そして最近、ティーチ・フォー・オールという組織を立ち上げたウェンディ・コップ。これでもほんの一部に過ぎないそうですが、強い思いを持った人々が世界中の子ども達がこれから直面する社会に適応するために相応しい教育がなされていないことを憂えて、集まったそうです。

会議はこんな一声から始まったそうです。「机の上にある小さな袋を開けてください。中には色の違うレゴブロックが6個入っています。さてこの6個のブロックを組み合わせて、一体何通りの形を作ることができるでしょう?」。参加していた数学者はすぐに計算を始めました。夫々のブロックに八つの突起がある六つのブロックを組み合わせたら、720通り?4万8000通りぐらいでしょうか?いえいえとんでもありません。答えは何と9億8145万6127通り。たった6個のブロックから約10億通りの形を作れるのです。

私達は青いブロックの上に赤、青のブロックは黄色の上というように、注意深く配置を決めて、塔を作るように、子ども達を教育しているのではないだろうかとキャシーは言います。もし私達が無限の可能性があることを明らかにするような方法で子どもを教育したらどうなるでしょうか。子ども達は依然として塔を作り続けるでしょうが、世界を可能性に満ちたものだと捉えるだろうとキャシーは言います。

彼女は、これまで人がどう学ぶのかということについての科学的知見に基づいて、決まりきったことをただ覚えるだけでなく、他者と協力し、創造的で、自分の能力を存分に発揮する、責任感溢れる市民になることのできる子どもを育てる新しい方法を示してきました。この方法を実現するには、子どもがどのように学ぶかについて私達の考えを変えなくてはならないというのです。知識というコンテンツだけでなくもっと大事なことがあるというのです。