ガイドされたプレイ

遊びにはもう一つ大事なタイプがあるとキャシーは言います。それを彼女ら「ガイドされたプレイ」と呼んでいます。大人が何か子どもに特別なことを教えたいと考えた時に有効な遊びです。

親、祖父母はもちろん、教師、保育士、べビーシッター等子どもの世話を仕事とする人、そして子どもの周りにいる大人全てが子どもにとっての良き教師になることができるというのです。しかしそれは教えたがり、説教したがりの大人ではありません。やたらと自分の知識や考えを押しつけ、子どもにひたすら聞かせようとするような大人は「百害あって一利なし」だと言います。子どもの興味や関心を探リ、子どもの問いに反応し、子どもが知りたいと思っていることを語り、子どもが問いを追究してゆくのをサポートするのが私達大人の役割だというのです。その役割は一緒にボードゲームをしている時でも、動物園を散歩している時でも果たすことができると言います。こうして大人と子どもが共に遊ぶのが「ガイドされたプレイ」による学びです。

キャシーらは「ガイドされたプレイ」による学びがどれだけ有効か科学的に検証したそうです。「ガイドされたプレイ」による学びを行った場合と同じ情報をただ大人から説明された場合とを比較したところ、座って話を聞くだけの学びより「ガイドされたプレイ」によって学んだ方が子どもはずっとよく理解したことが解った。

子どもが新しい語彙を学ぶ時も、三角形の性質について学ぶ時も、課題が自分に関わりのあることだと認識し、能動的に活動して情報を受けとめようとする場合によく学習することができるのです。この時子どもは自分で考え一生懸命脳を使っています。多くの学校では未だに座って先生の講義を聞くスタイルの学びを行い、大人が子どもにどのようにしたらよいか教え込んでいます。しかし皮肉なことに子どもは大人に言われたことは上の空で聞いているのです。このような受け身のやり方では学びは生じません。学校の外で子どもが行っている遊びの結果生じている学びを、学校の中でも活用できれば、学校の学びが活性化されるでしょう。「フリープレイ」による学びと「ガイドされたプレイ」による学びこそ、アクティブに人が学ぶ環境を作り出すのだとキャシーは言うのです。算数でさえ遊びながら学ぶことができるというのです。

では、どのように遊びと学びが一体化した環境を創ってゆけばよいのでしょうか。学校、家庭、地域を、6Csを育てる場に変えるためのモデルはあるでしょうか。キャシーは、今までもヒントを述べていますが、改めてより広い視野から見つめ直しています。

まず、「学校をプレイフルに学ぶ場」にするにはどうしたらいいのでしょうか?フィラデルフィアのフレンド・セントラル・スクールでは低学年の子ども達に対して「テーマ学習」と呼ばれる教育を行っているそうです。毎夏教師達は次年度に子ども達が取り組むテーマを決めます。アメリカでは9月から新年度が始まるからです。ある年のテーマは「架空の惑星『オービス』を作る」ことでした。その惑星は太陽からの距離が地球と全く同じ。但し、それは別の太陽系で銀河系の中で私達の生きる太陽系とは正反対の位置にありました。各クラスが惑星オービスにある別の国々になります。おのおののクラス、つまり国は国家の財政を保ちながら、国民であるクラスの皆の生活の質を高めなければなりません。