豊かなイメージ

キャシーは、六つのCそれぞれのレベルを定義づけています。各レベルごとに六つのCを眺めてみると、そして、次に各Cごとにレベル1からレベル4まで眺めてみると、それぞれのスキルや段階がどう相互に関わっているか見えてくるとキャシーは言います。まるで3Dメガネをかけて眺めているかのように、子ども達の成長の道筋を立体的な全体像として捉えることができるはずだというのです。

では、この豊かなイメージを現実のものにするにはどうしたらよいのでしょうか?

キャシーは、「まずはスキルの名前を覚えて、意識して使ってみることからやればいい」と助言します。これまで気に留めなかった場面でのうちのどのスキルを使っているか意識するだけで、思考力は向上するというのです。「ソフトスキル」と呼ばれている社会的なスキルは、数学や国語のような「ハードスキル」の基盤になるとかつてキャシーは述べていました。コラボレーションのような「ソフトスキル」を学びの中心として考えなければグループ学習をカリキュラムに取り入れることができないというのです。

プロックで何かを組み立てたり、理科のレポートを書いたりする時にグループ活動を組み込むことで、他者とともに作業し、他者のものの見方を聞くことの大事さを学ぶことができるのです。コラボレーションは社会的な関係を築くスキルとして、また感情をコントロールする能力としてとても重要だと言います。幼稚園の教師の多くが子どもに学んでもらいたいと願っているのは、他者と共に作業できる能力だと言います。しかし私達はこれまで読むことと計算することばかり注目し、社会的な能力を育てる教育の役割を無視してきたのです。

クリティカルシンキングについても同じだとキャシーは言います。殆どの学校の教室では事実が与えられるだけで、その事実をきっかけに議論する機会は少ないのです。これでは子どもが「見かけをそのまま信じる」という、クリティカルシンキングにおける最低レベルの状態に留まるように仕向ける学びをしているとしか思えないとキャシーは言うのです。