問い直す

レベル4のクリティカルシンキングができるようになるには、とにかく問い直すことだと言います。最初に出合った答えをすぐに受け入れないことだというのです。物事・出来事に出合った時、どのような原因、そしてどのようなプロセスでこうなったのかについて自ら問いを投げかけてみることで理解は深まるというのです。目の前の現状に問いを投げかけることから全ては動き出すというのです。遠く離れた人とどうして話ができないのか、鳥のように飛ぶにはどうするかという素朴な問いを馬鹿にしてはいけないのです。このような問いをひたすら問い続けた結果、電話や飛行機が発明されたのです。

生徒達はどうしたらレベル4に成長するのでしょうか。クリティカルシンキングは教えることかできるのでしょうか。もちろん、常に問う姿勢を持たせることは大事な要素です。しかしそれだけでなく根拠について考える機会を作ることも重要だと言います。これは幼いうちから始められるというのです。そこで、他者の立場で考えなければならないチャンスを見逃さないようにしようと呼びかけます。「あなたが弟を叩いてはいけないのはなぜだと思う?」と問いかけ、クリティカルシンキングを揺さぶると共に親の思考プロセスを子どもに見せるのです。悪いことをしてしまった罰としてどうしてこれを選んだのかという理由をしっかり説明するのです。子どもになぜあることをするのは受け入れられないか説明するだけでなく、罰とは単に「体罰」を意味するものではないということも理解してもらいます。あまりにもやんちゃ過ぎる子に対して、何かが起きたその場ですぐ守るべきルールについて話し合います。手が掛かり面倒に思うかもしれませんが、行動をコントロールすることを学ぶだけでなくクリティカルシンキングを育てる機会でもあるので、一石二鳥の学びのチャンスとキャシーは言っています。

ティーンエイジになれば子どもの質問は更に鋭くなり、親に対して敢然と挑んでくるでしょう。親とは異なった現実を想像するようになっている彼らによる批判的攻撃から逃れることは難しいでしょう。だったら逆に彼らに問いかけ、どうやったら折り合いをつけられるか一緒に考えることで相手の攻撃力を利用するといいと言います。新しい問いかけを身につけて共に考え方を進化させてゆくといいと言います。

学校において生徒達をレベル3から脱却させるには、お互いの意見を共有してディベートする機会を作るべきだとキャシーは言います。そのやり方は様々だと言います。まず必要なのはどんな論争があるのか認識することだというのです。例えば、「この章ではなぜ南北戦争が起こったと述べているだろうか」ということを認識させるのです。そしてプレインストーミングしてアイデアを出したり、意見の根拠となる部分を探したりする活動を組み合わせて、皆で話し合いながら主張を磨いてゆくのです。インターネットの中には教室でクリティカルシンキングを鍛えるための材料が溢れています。そこから挑発的なお題を選び、生徒達が二つの立場に分かれて自分達の主張を支える証拠を集め、ディベートすることができます。保護者会の夜、生徒達の外出は許されるべきかどうかというテーマで高校生がディベートすれば大いに盛り上がるでしょう。