講演のあと

講演のあと、ハンソル財団の役員の方々と昼食を頂きました。このハンソル財団ビルの中には、レストラン街もあるらしく、その中の食堂で、「韓定食」を頂きました。韓国料理と言えば、辛いというイメージがあります。私は辛いものが苦手で、今回の韓国でもできるだけ辛くないものを食べていたのですが、接待の料理となると食べないわけはいかないだろうと覚悟していたところ、韓料理は、辛くない韓国料理だそうです。それは、この料理は、朝鮮半島に唐辛子が伝わる前とされる朝鮮王朝時代に王が食べていた宮廷料理のことで、医食同源や五味五色の思想から、体によく彩り豊かな料理です。海外ドラマ「宮廷女官 チャングムの誓い」にも登場していたそうです。

五味五色の思想とは、陰陽五行説に基き、五味五色(塩味、甘味、酸味、苦味と赤、黄、白、黒、緑)の料理のことだそうです。しかし、食べるときには、先方から、今日の料理は「“かんていしょく”です。」と言われ、「官邸の料理で、高級かな?高級なのであまり辛くないのかな?」と思っただけでしたが、後で調べたら五味五色と書かれてあり、料理を写真に撮って色を吟味したり、よく味わったりすれば良かったと後悔しました。

五味というと、日本人特有の五つの味覚と言われています。甘味・酸味・塩味・苦味・旨味です。特に、旨みは日本独特です。しかし、実は日本独特というわけではなく、中国では、五味を五行に対応させる陰陽五行説があります。そこでは、甘味が木、辛味が火 苦味が土 塩味(鹹)が金 酸味が水に対応します。

また、五色というのも、日本料理の盛りつけの基本とされている赤・黄・藍・白・黒があります。しかし、中国でも色について、五色がありますし、季節や人生を色に名付けています。2011年1月23日のブログに「人生色」ということで、そのことが書かれてあります。「中国古来の思想では、季節に色を与えてきました。春は青、夏は朱、秋は白、冬は玄です。したがって人生を春夏秋冬の四季になぞらえ、青春、朱夏、白秋、玄冬と呼ぶそうです。」この人生を色で表す言い方は、味だけでなく、中国の陰陽五行説に由来しています。

その日の夕方、ドイツでおなじみのホテルでの振り返り研修をやりました。16時から18時まで、ホテルの会議室を借りて、これまでの見学の振り返りをします。今回、韓国ではこの研修が二晩予定されています。

人は、同じものを見ても、同じところを見ていないことが多くあります。また、気がつくところ、気になるところもずいぶんと人によって違います。そんなことをこの夜の研修では気がつきます。見学先には、それぞれ分担してお土産を持っていきます。そのお土産を渡した人が、その園の環境を撮った写真を、どんな観点からその写真を撮ったかを説明しながら皆に夜の研修会で、プロジェクターで見せます。また、それが何かわからない写真については、他の人が聞いた話をします。そうやって、見学先の環境を共有していくのです。それを見るたびに、私は「えっ?こんなところあったっけ?」と思うことがしばしばです。また、同じところを見ても、「えっ?そんなことに使うんだ!」と思っていたのと違うこともしばしば。よくドイツでは、「子どもに関する記録は、人の見方は偏ってしまう可能性があり、それを子どもが知ったら、大人になってもトラウマになってしまうことがあるので、一切しません。」というのを聞いたことがあります。