2017韓国三日目午前

今回の韓国訪問には、韓国の保育園であるオリニジップの見学と、もう一つ目的があります。それは、韓国内多くの企業所内オリジニップの運営委託されているハンソル希望教育財団において、その財団が運営しているオリニジップの園長向けの講演を頼まれているのです。今回のツアーの参加者は、23名でしたが、私が講演している間、せっかくなので韓国観光で、世界遺産や博物館の見学を計画していました。講演には、私と助手を務める西村君他1~2名の参加予定で、ツアー参加者に、講演への参加希望を聞いてみました。なんと、全員が参加したいとの意向でした。韓国での講演といっても、いつも日本で話していることですし、それほど特別なこともないので、是非観光の方に行ってくださいとお願いしたのですが、皆さん、まじめなのか、私に気を使ってなのか、参加を希望してくれたのです。私としては、もちろん嬉しいことなのですが、観光を計画してくれた金さんにも悪いし、財団でもそんなに無理だということで、交渉した結果、半分の十人くらいならということになりました。そこで、朝、くじ引きで参加者を決めることにしました。

しかし、朝になって、私は一緒に勉強する人をくじ引きで、「当たった!外れた!」などで決めるのはおかしいと思い、今回は、若い保育士さんは、これからも機会があるだろうということで、園長先生たちに決めさせてもらいました。それは、ちょうど10名くらいだったからです。皆さんが参加してくれることは心強く、もし導入に関して質問が出たら少し話してもらえると思っていました。

私はお迎えの車に乗り、残りの人はタクシー2台に分乗し、財団に向かいました。着いてみてびっくり。そのビルは37階建てで、すべてが自社ビルで、色々な事業を展開している財団のようです。会場は、17階でした。会場には、私たちのメンバーが10名ほど前の方を占めてしまったので、後ろのほうは立ち見で、100ほどの参加者で会場がいっぱいでした。通訳は、「見守る保育」の韓国語版の時に翻訳してくださった韓国の保育者養成校の烏山大学大学院教授の孔先生が務めてくれました。

現在、幼児教育に各国力を入れるべきだと主張し、現在の保育に警告を出し、教育の見直しを進めているのが、教育学者でもなく、保育学者でもなく、経済学者であること、そしてそれを先導しているのがOECDです。2017年8月22日の日本経済新聞朝刊にOECDに関して少し書かれてありました。「経済協力開発機構(OECD)を中心に子育て施設での教育の研究が進められている。子どもは生まれて3年間で言葉や数の概念などを学ぶ。保育所や幼稚園などは子どもの発達に影響を与えることから、子育て施設には教育の質を求める。」私の講演は、その研究の紹介から始めました。そこでは、乳児保育、3歳未満児保育における高い質の重要性が謳われています。

では、具体的に高い質と言われる保育とはどのようなものかという話になります。その保育の内容を検討する前に、OECDが、こんな提案を、「早期幼児教育・保育の改善で、より多くの子供を成功させ社会的流動性を高めることができる」というテーマで『OECD保育白書2017年版(Starting Strong 2017)』の中で主張しています。そこでは、各国は、社会的流動性を高め、あらゆる子供が自分の能力を最大限活かす機会を得られるように、安価で質の高い早期幼児教育・保育(early education and care, ECEC)を提供する取り組みを強化するべきだ」と提案していることを紹介しました。