人生色

 昨年、北大の川田さんをお呼びして講演を頼んだのですが、その時に会場に皆さんにこんな質問をしました。「チンパンジーと人間のDNAは、何%位同じだと思いますか?」その質問の答えはさまざまでした。ある人が「50%くらいかな?」と答えたら、「それは、人と苔くらいの違いです。」と答え、会場の皆さんはびっくりしていました。そんなには違わないと思いますが、それでも、だいぶ違うだろうと思います。それが、なんと「98.77%」は同じだそうです。ゲノム解析によると、チンパンジーと人間のDNA塩基配列は約1.23%しか違わないことが分かったのです。最近は、チンパンジー、ゴリラ、オランウータンなどは生物学の分類でいうとヒト科に属していて、かつて大型類人猿と呼ばれ、その言葉には「猿」がついていましたが、それらの種はサルではないため最近は「類人」と称するそうです。もちろん、最近では子どもでも人間はサルから進化したのではないことは知っていますが、それでも、彼ら類人の研究をすることによって、人間の進化の解明の手掛かりを見つけることができます。特に、ボルボという文字や数の学習をするチンパンジーがいますが、その種のアイを中心に京都大学霊長類研究所では「アイ・プロジェクト」が行われ、人間の進化の解明を続けています。その10年間の研究成果をまとめた「人間とは何か」(岩波書店)が昨年6月に出版されました。
霊長類は、人間に近いだけあって、長い間研究対象になってきました。2007年に霊長類研究所の創立40周年、2008年に日本の霊長類学誕生60周年、そしてアイ・プロジェクトの30周年記念だったそうです。京都大学霊長類研究所40周年の時の式典で、所長である松沢哲郎さんが挨拶の中でこんな興味深いことを話していました。
「中国古来の思想では、季節に色を与えてきました。春は青、夏は朱、秋は白、冬は玄です。したがって人生を春夏秋冬の四季になぞらえ、青春、朱夏、白秋、玄冬と呼ぶそうです。人生80年時代の今日では、生まれてから20歳のころまでが青春。20歳―30歳代が朱夏、そして40歳からが白秋でしょう。しっかりと落ち着いた実りの季節です。」
この意味から、40周年というのは、まさに研究成果を出す時期が来たということを言っているのです。
この人生を色で表す言い方は、以前ブログで何回も取り上げた中国の陰陽五行説に由来しています。五行にはそれぞれ方角、季節、色など様々なものが配されており、人生を四季に例える言葉もここから生まれました。曜日に使われている漢字も世の中はすべて火、水、木、金、土の五つの要素で成り立っているというのが五行からきています。ただ、順番は少し違って、木、火、金、土、水という順で、五行説では、これらお互いに「相生(そうじょう/互いを生みだし伸ばし合う)」と「相剋(そうこく/互いに制し滅し合う)」の相を持っていると言われています。それは、木は火を、火は土を、土は金を、金は水を、水は木を生み、逆に木は土を、土は水を、水は火を、火は金を、金は木を制するとされます。この関係は、絶対的な関係ではなく、ジャンケンや「ネズミの嫁入り」という話に見られるような循環型優劣なのです。そして、それぞれの五行に「方角」「季節」「色」があてはめられ、そこに「ライフステージ」があてはめられているのです。木=東==春=青ということで「青春」、火=南=夏=ということで「朱夏」、土=中央=土用=黄、金=西=秋=白ということで「白秋」、水=北=冬=玄(黒)ということで「玄冬」ということになります。これらは、昔から日本でもいろいろな所に使われていて、なるほどと思うことがあります。
話はそれましたが、人生は子どもの発達と同じで、その時々に意味があり、今をよりよく生きることが求められています。どの色も美しいですね。

人生色” への6件のコメント

  1. 本日ブログのタイトルに「人生色」とありましたから、「むむっ、今日は島倉千代子さんのことか」と愚かなことを考えました。そんなわけないですね、失礼致しました。「♪♪?じんせい?いろいろっ、おとこもいろいろっ、おんなだ?ぁってい?ろいろ、さきみ?だ?れ?るの?♪♪」、これはまたまた失敬!何卒ご寛恕のほどを。今回の陰陽五行説はまさに私たちのライフサイクルを顕すと私も思っております。「循環型優劣」とはなるほど、と思いました。私の家族に照らした時「土は金を、金は水を生み」でして、私たち親が「白秋」なら息子は「玄冬」。白黒親子です。年齢で考えると、息子は「青春」私たちは「白秋」。色と季節、これはとても大切ですね。「陰陽五行」、私も勉強したいと思っております。

  2.  40歳というと孔子の「不惑」を連想します。ただ自分のまわりを見渡すと、「不惑」からほど遠い人たちが多いのですが・・・。また白秋と聞けば詩人の北原白秋を思い出します。白秋の詩をほとんど読んだことはありませんが、童謡の「ゆりかごのうた」の作詩は北原白秋だったと記憶しています。さて様々な物に色を付けるのは面白いですね。東南アジア国のタイでは、曜日にそれぞれ色があります。タイの人はみな、自分が生まれた曜日の色を知っています。例えば現在のタイの王様ラーマ9世は、確か月曜日生まれで黄色です。
     人生は、その時々に意味があると思います。そして人生が長くなると、それぞれの時期も長くなるような気がします。つまり成人して一人前になるまでの時間や、老人と呼ばれるようになる時期が徐々に後ろへずれ込んでいるように思えます。例えば坂本龍馬は31歳で亡くなったそうですが、日本について多くのことを考え、またそれらを行動に移したように思えます。昨年、龍馬を演じた俳優は、40代でしたが特に違和感はありませんでした。また昔、人生50年という言葉があったと思いますが、今、50代はまだまだ若いと感じます。もちろん個人差もあります。そう考えると、定年を何歳と決めたり、小学校の入学を6歳と決めたりするのは目安にするだけで、個々人の状況に合わせてもっと柔軟に対応できる社会がいいと思います。
     

  3. チンパンジーと人間のDNAの違いの1.23%は直感的に脳の進化の違いだろうと思いました。わかりやすく表現すると人間の脳が?8もしくは?12エンジンで、チンパンジーの脳はV4という違いぐらいあるそうです。人間は人生に悩む動物だけど、心の病のチンパンジーなんて聞いたことないものなぁ。苦しみを転じて幸いに変えていく力を潜在的に持っているのも人間の凄いところだけども・・・。私も年代的には白秋も半ばすぎ。人生の頂上めざしての胸突き八丁にさしかかったところ。↑のtoshi先生ではないけど、「人生?いろいろ」ありますが、これからが豊かな実りの季節と確信して頑張りま?す。

  4. 今私は朱夏あたりですか。白秋のしっかりと落ち着いた実りのためにも、じたばたするというかとにかく行動して失敗もしてというのが大事な時期でもあるんでしょうね。で、どの時期が劣っているとかではなく、どれもその時期で意味があると考えると、他と比べて変に焦ったりすることなく、今できることを精一杯やるだけということなんでしょう。自分の今をしっかり生きることが大事なんだと、いつものところへ帰ってきました。

  5.  青春という言葉を聞くと、中学生?大学生の頃のイメージが強いので、もう青春は終わったかな?と思っていました。中国古来の思想では、私はまだ青春時代の真っ只中です。まだまだ、活発に動いて、色々な事に挑戦していかなければいけませんね。それよりもチンパンジーと人間のDNAの違いが1.2%しか違わないことには驚きました。普通に見ても人間とチンパンジーを比べても出来る範囲が大きく違うので、それだけ離れていると思っていました。逆に考えると、そんなに違わないという事は、動物から見ると一緒に見えているのでしょうか。差の数字から色々な事を考えてみると、面白いですね。

  6. まだまだ自分は「青」二才ということが良く分かりました。「循環型優劣」といったようにそれぞれに短所と長所があるという考え方が東洋の考え方に多くあるように思います。それは自然の考えが根底にあるからなのかもしれませんね。人生一度きりという言葉が浮かんできました。自分自身も今をどう実りある時期にし、今の色を色濃く示すことができるかということを考えなければいけませんね。今の自分の選択がベストであると自信をもってできる生き方を目指したいです。

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