チタン

今、ハリウッドはちょっとしたギリシャ神話ブームだそうです。今年の4月に、巨匠レイ・ハリーハウゼンの「タイタンの戦い」がリメイクされました。この元の映画は、1981年に公開されたのですが、後のファンタジー映画や、ギリシャ神話自体のイメージに多大な影響を与えた名作だと言われています。
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このストーリーは、ギリシャ神話の中でも、最も英雄が活躍する部分です。アンドロメダや見たものを石にしてしまうメデュサなども登場します。神々が世に君臨していたある時代に、神々の王ゼウスと人間の間に生まれた半神半人で、人間として育てられた英雄ペルセウスの活躍を描いています。彼は世界を滅亡の危機から救うため、冥界の王ハデスを倒す戦いの旅に出て、悪魔や獣といった強敵との死闘を繰り広げます。ただ、私はこの作品を見ていないのですが、なぜタイトルを「タイタンの戦い」とつけたのでしょうか。もともとギリシャ神話では、タイタンは巨人族で、ウラヌスとガイアの子供でした。 そして、天を支配しようとしましたが、神々の戦いに敗れ、地中奥深くに閉じ込められたとされています。そして、その後をゼウスの家族が継ぎました。ですから、タイトルの名はどうしてなのかわからないのですが。
このタイタンという名は、いろいろな所に付けられています。有名なのは、土星の第6衛星で、土星最大の衛星です。また、映画で有名になったタイタニック号という豪華客船もタイタンに由来しています。また、アニメ「機動戦士Zガンダム」に登場する架空の軍隊の名前のティターンズも由来はタイタンです。
もうひとつ元素のひとつ「チタン」(元素)も「タイタン」にちなんでつけられています。私は、若干金属アレルギーがあるので、腕時計は、時計盤もバンドもチタンのものを使っています。チタンは地殻で9番目に多い元素で、平均で約0.6%存在しています。1791年、イギリス人の牧師であり鉱物学者であったグレゴールが、近所の川の砂の中に、黒い砂粒である磁鉄鉱の他に、赤褐色の粒が混ざっていることを発見しました。彼は赤褐色の粒の化学特性を調べ、未知の鉱物であることを確認し、地名にちなんでメナカナイトと名付けました。それから5年後(1795年)にドイツ人の鉱物学者クラプトーがルチル鉱石の中に未知の物質を発見して、ギリシャ神話に出てくる地球の最初の子供Titansにちなんで、チタンと名付けました。現在は、そちらの名前のほうが使われています。
 このチタンは地表近くに存在する元素の中では9番目に多いものですが、レアメタルと言われています。それほどレアではないのですが、いままでは、利用される量がさほどではないためにレアメタルとして数えられる金属です。それは、そこから純粋なチタンが取り出されるようになるには、約100年の歳月を要しているためかもしれません。それは、チタンは酸素と強固に結合している為、酸素を取り除くのが技術的に難しかったためです。
 この「レアメタル」という名前は、ここ数日急に有名になり、テレビでその名を見ない日はありません。それは、中国と急いで和解したかった理由の一つは、レアメタルの多くを中国に依存しているからです。チタンのほかレアメタルには、プラチナ、タングステン、レアアース、クロム、等約30種類あります。どうして、これらが輸入できなくなると困るかというと、これらの物質は、デジタルカメラの手ぶれ補正ジャイロや携帯電話のバイブレーター用モーター等ハイテク製品には欠かせない素材であり、製品の小型化や性能アップに貢献しているため、今は欠かすことのできない物質だからです。
レアメタルに代わる代替財の開発も行われているそうですが、早く開発してもらいたいものです。そうすれば、供給は安定し価格も落ち着くし、なんといっても外国に依存しなくてよくなるからです。

チタン” への7件のコメント

  1. レアメタルという名前から想像すると自分にはほとんで縁のないようなものと思ってしまいますが、結構お世話になっていることがわかります。数日前、アイドルグループの上海講演が中止という大きな記事に比べると遥かに小さくレアメタルの記事が載っていました。その内容、扱いを比べてみて、報道って何のためにあるんだろうと考えさせられました。

  2. タイタンつながりで言うと、マーラーの交響曲第1番ニ長調「巨人」の原題がタイタンです。学生時代にこの曲がお気に入りで、八王子の学生寮で毎日のように聴いていました。この曲はロマン派の作家ジャン・パウルの小説「巨人」が曲想の元になっているそうで、副題をみるとそれがよくわかります。第1部「青春の日々から、若さ、結実、苦悩のことなど」第1楽章「春、そして終わることなく」第2楽章「花の章」第3楽章「順風に帆を上げて」・・・なるほど、あの頃の悩み多き青年(私のことです)の心の琴線に触れたのも肯けます。今でも夜、N響アワーなんかでこの曲を聴くと胸がキュンとしてきます。

  3. “Clash of the Titans”、面白そうな映画ですね。ギリシャ神話世界を理解するための良いきっかけとなりそうです。ギリシャ神話に興味を持つと今度は天体に関心が向いてくるかもしれません。「タイタン」といえば音楽好きの私にとってはマーラーの交響曲第1番をすぐに連想します。このシンフォニーは私のお気に入りのひとつです。「巨人」からは「風の谷のナウシカ」の「巨神兵」も連想されます。そして「タイタニック号という豪華客船もタイタンに由来・・・」その通りですね。巨大な客船に相応しい名前です。それから「チタン」は眼鏡利用者として「チタンフレーム」を連想させます。眼鏡フレームのほかにいろいろなところにこのチタンは使用されているのですね。それから隕石などの中にも検出されるとか。チタンは宇宙につながっているのですね。

  4.  チタンと言えば、登山用の食器や鍋を愛用しています。値段ははりますが、アルミ製のものに比べ軽くて丈夫で重宝してます。実はチタンは軽いというよりも、丈夫なので薄くしても強度が保てる金属なのだそうです。そして調理器具としては欠点もあります。それは鍋底が薄すぎて、火にかけると、その一点しか熱くならないことです。お湯をわかすのぶんには問題ないのですが、ご飯を炊くには最悪です。味を取るか、軽さを取るか悩ましいところです。
     ギリシャ神話の神々は実に人間臭くて面白いですね。ギリシャ神話関連の本を読んでいると、全然、神々の話に思えません。神というキーワードを用いた人間界の縮図ですね。そして思うのですが、人は数千年単位で大して進歩していないと。技術は進歩し、情報は蓄積されていきますが、個人の喜怒哀楽といった感情や精神面は、いつの時代も大して変わらないと思います。それは個人の一生(人生)は常にゼロからはじまり、寿命を迎えるまでの限られた時間分しかないからでしょう。あるいは情報が多いとかえって人は迷うかもしれません。

  5.  「タイタン」と聞くと、あるゲームに出てくるキャラクターを思い出します。ちなみに「タイタンの戦い」のポスターは、聖闘士星矢の何巻かの単行本の表紙をモデルにしているそうです。ギリシャ神話はブログを通していくつか知りましたが、日本のアニメにも繋がっているのですね。そしてアニメだけでなく元素記号のチタンもタイタンにちなんでつけられたのも、初耳ですが、とにかくギリシャ神話の影響は力は大きいと感じました。ギリシャ神話は人を惹きつける不思議な力があるのかもしれません。

  6. ギリシャ神話の登場人物を聞いてすぐに連想されるのはやはり「星座」ですね。しかし、そのギリシャ神話がいろいろなところに影響を出しているのは意外でした。少し名前を変えたり、由来となっているのはおもしろいですね。
    「レアメタル」という文字は確かに最近よく目にしますね。「レアアース」という言葉も初耳で正直なんのことかよくわからず聞いていました。しかし、それらが携帯のバイブレーターのモーターに使われたり、デジカメの精密部品に使われたりと意外と身近にあるんですね。最近の領土問題は難しい問題ではありますが、激化せず穏便にお互い納得のいく結果になって欲しいと思います。

  7. 共通の敵、共通の目標がない場合、集団は分裂する、という点で言えば、国と国とはまさにそれを代表するような例のように思えてきます。しかし、よくよく目を凝らせばレアメタル一つにして、地球上の資源ということで言えばそれは実は誰が独占できるものでもない、地球人の共有物と言えるのではないでしょうか。この社会、世界で、根も葉もないことを言っては仕方ないのですが、無から有を生むクリエイティブな時代、共生と貢献の時代にふさわしい態度、生き方こそが、現代と調和する、ということのように思えてきます。

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