易経

昨日のブログ書いた京大名誉教授の岡田さんが言った言葉「常に軌道修正しながら、止むことのないしなやかな生き方、大事なものは本質です」ということを「自彊不息」というようにという例をあげています。この言葉は、いろいろな学校の校訓に使われたりしている言葉ですが、もともとは、「易経」の「乾為天」で使われている言葉です。この言葉は、次のような言葉の後に続いています。「天行健 君子以自彊不息」(天行健なり。君子を以て自ら彊(つよ)めて息(やす)まず。)
「天行」というのは、天地の運行ということで、「天行健」とは、天地は、とても健やかに廻っていくということ、途切れることなく、規則正しく、健全に運行されていくとということで、「君子以自彊不息」とは、そのように君子も、自ら努め、学問に励み,人と交わり、職務を全うし、怠ることはなく規則正しく健全に行われなければならないということです。
この言葉は、「易経」にありますが、「易」とは、3500年ほど前、中国で生まれた占いで、その理論と方法をまとめた経典を「易経」と呼びます。人生のさまざまな局面を、大きく64に分けています。その中で最初にある「乾為天」とは、乾為天は、天と天が二つ重なった状態で、天高く大宇宙の元気が満ち満ちており、活気と勢いがある様子を表しています。ですから、「前向きに、一所懸命頑張る時」を表しています。このようなことを「易」では「乾為天の龍」といって、人間が成長するために必要な事柄を龍の成長にたとえて説明しています。
私のこのブログは、「臥竜塾」という名前です。それは、ブログを始めたころに説明していますが、将来、天に駆け上る龍が、今はまだいろいろなことを学ぶために臥せているということから、未来を生きる子どもたちが、今をよりよく生きていることを見守っているということを表して命名しました。それを易では、龍は、潜龍、見龍、君子終日乾乾す、躍龍、飛龍、亢龍の6段階の変遷を経て成長すると説いています。
「潜龍」とは田んぼの中に潜んだ龍のことを指し、臥竜に近い意味を持っています。「潜龍」の時は、まだ力を蓄えている間で、自分の力をひけらかすことはせず、あせらず、じっと我慢をする時期であることを言っています。
「見龍」は、田んぼの上に上がってきた龍のことを指しています。このころは、「見龍在田。利見大人。」といって、このころは、やっと、そのその存在は認められてきますが、まだまだ経験不足ですので、見識者などの指導を素直に受ける必要がある時期であるということをいっています。
次の段階は、「君子終日乾乾。夕〓若。〓无咎。」といいます。君子たるものは、一日中仕事に意欲を持って励み、そして夕方になるまで敬虔な慎みを持って励めば、まだまだ確固たる地位を得ていない立場ではありますが、何も問題はないということを言っています。そして、「或躍在淵。无咎。」の時期は、いよいよ龍が池の淵から天に飛び立とうとしている時です。それまでの時期をきちんと全うすれば、突如として躍龍に変化し、目標までもう一歩です。確実に力はついてきています。後は「天の時・地の利・人の和」がすべて揃えば、飛龍になると易では教えています。そして、「飛龍在天。利見大人。」空に飛び立った龍でも、今度は部下や、年下の言うことに耳を傾けましょうと言っています。しかし、「亢龍有悔。」といって、昇りすぎると、後悔することになります。「亢龍」は、やりすぎて周囲から浮いてしまった姿を表しています。自分相応を知って、いい気にならないように戒めています。

易経” への5件のコメント

  1. 今日本で行われている多くの占術の元になっているのが今日のブログで紹介されている「易経」です。私自身の課題としてこの「易経」をじっくりと学習する、ということがあります。「易経」の「龍」の説明をブログで読んで、同経にますます興味関心が沸きました。3000年以上の時を経てなお多くの人々の生き様に影響を与えています。「易経」は四書五経の「五経」の筆頭に挙げられます。誠にもって凄いことです。さらに凄いことは算学・統計学の元になっていることです。「経」とありますから私たちはすぐに「お経」を思い出して何が何だかわからない、そういった感慨を持ちますが、実際「易経」は理数系のテキストと言って良いほど論理的です。早く「易経」を学べる「天の時・地の利・人の和」を得たいと思っています。

  2. 易とか易経というのは、これまであまり関心を持っていなかったので、とても勉強になります。占いのテキストというだけでなく、哲学書でもあり、人生の処世訓を説いた書物という一面もあるようですね。自分の人生や生活の在り方を客観的に見直す明鏡になりそうです。人間は潜龍からこう龍まで、六つの段階を経て成長するということですが、私などは、この歳で、まだ潜龍を卒業して見龍に近づいたぐらいかなと思っています。これまで以上に、藤森先生の御指導を受けないと、一生天に飛び立つことなく終わってしまいそうです(笑)。

  3. 龍の6段階のうち、潜龍の必要性を強く感じています。結果を求めて、評価されることを求めて、すぐに焦ってしまいます。ただただ黙って実践し続けるだけ。これができるかどうかが重要だとは分かっているのですが、簡単ではありません。他の5つの段階も大事なのですが、そこにたどり着くためには、まず潜龍です。近道をしようとしてもいい結果は得られないんでしょうね。

  4. 龍自体、架空の生き物かもしれませんが、昔からアニメなどで出てくるので私の中で龍はとても貴重な存在です。そんな龍で人間の成長を表していますが、どの龍もとても大切なことを表していますね。また、初心を忘れない事というのも重要なことだと私は感じました。一つ一つの龍の状態をしっかりと理解し、着実に成長していこうと思います。

  5.  目の前に起きる現象は全て自分が描いたシナリオ通りである、と心学者の故小林正観氏や銀座まるかん創設者斎藤一人氏の本を読み、学びに学んだ昨年でした。〝「乾為天」とは、乾為天は、天と天が二つ重なった状態で、天高く大宇宙の元気が満ち満ちており、活気と勢いがある様子を表しています。ですから、「前向きに、一所懸命頑張る時」を表しています。〟この文章に出会うことも天命、自分の描いたシナリオ通りだとすれば、2017年はこの時期を経たと解釈し、もっと肩の力を抜いて臨もうと思います。前回のブログで言う〝老いて力を抜くことは、豊かさを増すことである〟このことに共通するように思います。
     潜龍である今自分を自覚して、この豊かさの中に身を委ねてみようと思います。〝じっと我慢をする時期〟であること、自分もまた自制心を育て、目の前のマシュマロにすぐに手を出してしまう部分を内省し、より遠くの目標へと歩みを進めていきたいと思います。

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