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毎日更新。カグヤの日々の取り組みをご紹介。

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蝉の羽化から

子どもの通う小学校では、夏休み中に『わくわくスクール』と銘打った、様々な講座が開かれていました。

 

地域のNPO法人やボランティアの方が協力して下さり、おもしろ実験をして科学の楽しさに触れたり、近隣の保育園へ行き保育を手伝うといったような、様々な分野の講座が20講座ほどありました。

 

その中で子ども達が興味を持ったのが、『蝉の羽化を見にいこう!』。

 

夜の公園に集まり、蝉が土から出て羽化する瞬間を見ようというものですが、夜の公園、さらに持ち物に懐中電灯とあるだけで子ども達のワクワクはMAX!

 

案の定、公園では懐中電灯を持って友達と鬼ごっこに夢中になる始末…。

 

どちらかといえば羽化を心待ちにしているのは大人たちでした!

 

校長先生と副校長先生も参加されていましたが、土から出てきた蝉の幼虫が羽化するための樹木を目指し、ヨチヨチと歩く様子に先生と親たちは大興奮!

 

まるで初めて歩いた我が子を見守る親のように、

 

「そっちじゃないよ、こっちにおいで~」「さっきから俺のところばっかり寄ってくるから、こいつはメスかな」などと言いながら、大人同士頭がくっつきそうな距離感で見守ります。

 

みんな、先生と保護者という枠なんて忘れるほど夢中に。

 

気付けば1時間ほど見入っていましたが、ついに。

 

 

殻を破って出てきたようです。

 

こんなに透明で神秘的な緑色をしているとは驚きです。

 

ふと気付くと、さっきまで走り回っていた子ども達が蝉のまわりに集まり、蝉が殻から完全に出る時に落ちないようにと、蝉の下に葉っぱを用意してあげている子もいました。

 

だんだんと羽が乾いて、大きく伸びていきます。

 

とても神秘的です。

 

ボランティアの方が仰るには、完全に羽が乾いて飛べるようになるのは翌朝だそう。

 

この瞬間を土の中で辛抱強く8年も待っていただなんて、そしてその8年越しの瞬間に立ち会えただなんて…感動です。

 

後日校長先生に話を聞くと、日付が変わるくらいまで見守っていたとのこと!

 

校長先生、完全にゾーン状態に入っていたようです。

 

でも、それも納得。力強い自然の一場面に大人も子どももみんな魅了されましたし、この世界にはまだまだ見たことのない素晴らしいことがたくさんあるんだと、子ども達と振り返ってはまた感動に浸っています。

 

ボランティアの方が蝉が落ちないように葉っぱで受け止めようとした子を見て「こういう子どもの姿が見られるから、また来年もやりたいって思うんだよね」と仰っていましたが、地域の繋がりが薄くなっている今、こうして陰で繋がりを支えて下さる方がいるから、地域の自然のことを知ったり輪を広げていくことができるのだと感じます。

 

自然とも地域の方とも触れ合える場。

 

これからも子どもと一緒に沢山参加して、もっと地域の一員になっていきたいと思います。

 

美化コーディネーター

眞田 由莉