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念願のパン工房

楽健寺酵母の生みの親である山内 宥厳さんのパン工房 大阪の下町、大阪府東大阪市に貸工場街の一角に構える工房を訪ねました。

 

楽健寺酵母の生みの親である山内 宥厳さんは、真言宗磐余山東光寺の住職さんでもあり、1970年喘息克服を機に天然酵母のパンづくりの研究を始められ、楽健寺酵母には、りんご・人参・長芋・玄米、酵母菌を元に焼いていきますが、天然酵母の草分け的存在です。

 

私は楽健寺酵母のパンを焼き始めてちょうど1年が経ちました。パン工房の存在は以前から知っており一度は訪ねてみたいと思っていたものの、場所が大阪ということや、月曜日のみの営業ということで中々訪問の機会に恵まれていませんでした。


以前ネット検索をしていたところ、ネットからもパンの注文が出来るということで指定のアドレスにメールを送りましたが3ヶ月程経っても返信はなく、もうお店閉まってしまったのかな?と諦めかけていましたが、ちょうど月曜日の午前中に保育園に訪問する予定が入り、「これは行くしかない!」と思い、日曜日に大阪に入りし翌朝工房を訪ねてみました。

 

工場の一画で窓は割れていたり、「これは、やっていないな…」と諦めかけたのですが、楽健寺パン工房と書かれた看板を見つけ、中に入ってみると中で作業されている方々が居ました。

工房の中には焼き上がったばかりのプチパンとぶとうパンが並び、店内には甘い香りが漂っていました。

店内はおしゃれで、きれいで、コーヒーやBGMが流れるようなお店とはまるで異なりましたが、山内ご夫妻の優しさや温かさから生まれたパンはお二人を表しているようで、出来立てのぶとうパンの後味はまるで、ワインを飲んでいるような香りを感じ、これまで食べたぶとうパンの中で断トツ一番おいしさでした。


店の奥には、楽健寺酵母の生みの親である 山内 宥厳さんがおり、直接お話しさせて頂きました。工房で酵母を見せて頂きましたが、私の家にある酵母とは全然違う色をしており、そのことについてお聞きしてみると、「にんじんの色やろ?」と一言。


そして、山内さんの著書『楽健寺酵母でパンを焼く』の中に、酵母は耳たぶ位の柔らかさということが書かれていましたが、実際に酵母を目にして触ってみると、私の家の酵母は水っぽく強力粉をもっと入れてもいいことを感じました。

 

私が楽健寺酵母パンを焼き始めたきっかけは、カグヤクルーの宮前さんが、ご自宅で採れた小麦を使った丸パンを作って来られ、その時、「美味しいな、凄いなと思ったのですが、それ以上に5年以上、楽健寺酵母を増し続けていることや、丸パン作りに挑戦してみよう!と至った気持ちに感じ入るものがありました。

 

そして、丸パンを頂いたその時より、時間と共にその奥深さを感じ、 楽健寺酵母を「分けてください!」とお願いし、我が家でも楽健寺酵母生活がスタートしました。


あれから早1年。あの時、宮前さんから酵母を譲って頂いていなかったと思うと、今日という日が無かったと思うと不思議な感覚です。そして、山内夫妻にお会いした際に「これも縁やな~」と写真を撮って頂きました。


パンを46年作り続けて来られたのは人のためというよりも、自分たちの健康のためと仰っていました。月曜日だけの営業で決して儲けはなくむしろ赤字だと仰っていました。それでも毎週焼き続ける800個のパンは注文で売り切れてしまうそうです。

「子どものように酵母も愛情をかけてあげることが一番」と仰っていたことが印象的で、楽健寺酵母に至るまでにたくさんの試行錯誤を繰り返したと言います。


そのご本人にお会いし、直接お話させてもらえたことは本当に幸運なことで、人伝に私の元に楽健寺酵母がやってきたことは本当にご縁があってのことだと感じました。


分けて頂いた酵母を私も我が子のように、愛情を注いで大切に育てていきたいと山内ご夫妻にお会いして感じました。



ミマモルジュ
奥山 卓矢