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毎日更新。カグヤの日々の取り組みをご紹介。

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無力だからこその備え

今週は台風15号の関東上陸で始まりました。

鉄道各社は、早々に台風通過時間帯の運休を決めました。

日曜日は終電が22時に繰り上げられ、帰宅できなくなった人たちの長蛇の列がタクシー乗り場にできました。

そして翌月曜日の始発からの運休は出勤時間帯にも及び、解除された直後の駅はそのままラッシュ時の車内の如く人で溢れたのは言うまでもありません。

 

この鉄道各社の対応は混乱を来したものの、そのお陰で大きな事故は何も起こりませんでした。

実際、山手線内では倒木がありましたし、線路内の送電線が切断され停電した路線もありました。

もしその瞬間に電車がその場所を通過していたら・・・そう思うと各社のとった対策は、完璧ではないにしろ、最善だったのだと改めて感じます。

 

あの東日本大震災以降、これまでの「命を張ってでも仕事をする」といった考えは完全に覆り、「命最優先」という本来当たり前の認識に、ようやく社会的実態が伴うようになりました。

それでも月曜の朝の混乱を見れば、まだ完全に台風が去ってない中でも会社に向かうサラリーマンやOLが実に多いことに驚かされます。

 

 

幸いカグヤでは、各々の状況に応じて決して無理はしないと会社として決めています。

実は私も昔の仕事最優先体質の癖で、入場規制された駅に向かう長い列につい並んでしまったのですが、炎天下で具合も悪くなってきたため迷わず家に戻りました。

その後、体調も回復したので会社へは行きましたが、「社内の方は大丈夫ですよ」といった仲間からの声がけや、「会社へは何時に着いても大丈夫」「無理なら途中で帰っても平気」という大前提があったので、精神的にも身体的にも安心して移動することができました。

 

自然の脅威の前には人はあまりに無力です。

人の力で自然現象をどうこうするのは不可能なことです。

せいぜい私たちにできるのは、不測の事態に備えておくことくらいです。

予期せぬ事態を目の前にしたとき、自分の命を守りきれるよう事前に準備しておく。

本当にそんなことくらい。

でも人の記憶は時と共に薄らいでいきます。

大きな災害に恐怖したその時は確かに心に思っても、いつか何事も起こらない平穏な日常が当たり前になってしまうのです。

そして安心しきった頃、自然はまたその力を見せつけます。

 

備えには命を守るための道具はもちろん、「命を優先した行動をしてもいい」と思える環境を全体として整えておくことも大事なのだと思います。

そうしてお互いの命を尊重し合うことが、自らの命を守ることにもなるのだと感じます。

 

ミッションパート

佐藤真樹