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時が醸す

ちょっと前のことになりますが、

先月の初心会議では、パートナーの方の還暦祝いということで

60年前に作られたお酒を用意し、皆でその方の生まれた年のお酒を

味わう機会に恵まれました。

 

60年前のワインを見つけることは難しくありませんが、

60年前の日本酒を見つけることは大変なことです。

 

なぜかと調べてみると、明治から昭和にかけて、

戦時中の重い酒税により、お酒は古酒にしようとすると

毎年酒税がかかるということで、誰もやらなくなってしまったそうです。

 

古くは鎌倉時代から続いていた日本人の古酒をたしなむ文化は、

ここで一端途絶えてしまったようです。

 

お酒も、味噌も、梅干しも、しょうゆも、

日本の食文化は「時」が醸し出し、作り出すものが

少なくありません。

 

「時」に税金をかけてしまった結果、

人間が作り出すしかなくなり、

醸造アルコールを入れたり、醸してすぐのものを売る

今の形態になっていったそうです。

 

今の時代で、ではどうやって「時」に醸してもらえばいいか。

 

それを考えた方がいらっしゃいました。

新潟の下越酒造さんです。

 

私と熟成酒 (麒麟)

 

時が醸す文化を現代に復活させるために、

光さえ当てなければ常温でも熟成していけるように

工夫し、「時醸酒」という商品で世の中に出してくださっていました。

 

これは有難いことです。60年物を買うとなるととんでもない金額ですが、

自分で今買って、60年眠らせたら、思い入れも沢山ですし、

お金もかからずで、有難い限り。

 

ということで、子どもたちの生まれた年の「時醸酒」が

たまたま当時の原価のままで売られていたので、

チャンスとばかりに2本ずつ購入してみました。

 

 

まさか、初心会議の準備での調べ物が、

子どもたちへの文化継承の可能性にまでつながるとは。。。

 

叶うことならば、一本は子どもたちとの節目に。

 

もう一本は子ども自身の人生の節目に。

 

このお酒が「その時」を醸す役に立てたら嬉しいなと、

にやにやとしています。

 

ミマモリスト

眞田 海