福岡にある古民家『聴福庵』で1週間暮らしながら働いていました。1年程ぶりに聴福庵を訪れ、前回訪れたときから随分と変化していることを感じました。

今回、他のクルーより一足先の便で帰る予定だったため、朝早起きをして車の掃除をしました。雑巾を絞る手が冷たくなるほど朝は冷え、朝露を被った車を拭いたり、靴の足裏についた砂や土が落ちた社内を箒で掃いていきました。

思えば、毎日重い荷物を載せ、運び走る車に、この1週間一緒に駆け抜けたなと感じました。夜が明けきらぬうちから始めたため、きっと拭き残しもあったと思います。

この1週間、肉体労働が多かったため、体のあちこちが筋肉痛や疲労が溜まった1週間だったように、きっと車も同じくらい、一緒に走ってくれていたのだと水拭きをしながら、そんな気持ちが湧いてきました。

思えばこの軽トラも、もう7年程福岡農園や聴福庵、そして新たにできたＢＡを何度も行き来してくれ、一緒に走り抜けてくれていることを改めて感じます。

ただの軽トラではなく、一緒に理念の実践をしてくれていたのだと水拭きをしながら、しみじみとそんなことを思いました。

朝掃除をして気持ちよくバスに乗り込んだのですが、空港に着いて、ふとポケットを触ったら、ポケットの中にまさか車のキーがある…。一瞬茫然とし、焦って電話をしたところ、スペアキーがあるということで、ひとまずは何とかなりましたが、最後はバタバタとしてしまいました。

来年はもう少し心に余裕を持って、走っていきたいと思います！

ミマモルジュ
奥山　卓矢