自然から学ぶ

私たちの復興「自分たちに出来る事をする」

カグヤでは2011年の東日本震災から、自分たちなりに復興を始めました。それは、「自然から学び、自然に沿った本来的な生き方を実践する」こと。これまでの人間都合の生き方を改め、自然のつながりの中で生きる取り組みをご紹介いたします。

2016/06/26

全体で曖昧に

引き続き、室礼での話になりますが、

今日伝わっている様々な年中行事には
「陰陽五行」の思想が残っていて、

室礼でも、盛り物に
それらを表していることが多くあります。

例えば、今回の七夕の室礼でも、
五色のそうめんを盛りましたが、

その五色は、
五行の「木、火、土、金、水」を表しています。

実はこの五行は、色(五色)だけでなく、

徳(五常・五徳)や方角(五方)、季節(五時)など、
あらゆるものに配当されていて、驚く程です。

(五行) (五色) (五常) (五方) (五時)
 木 = 青 = 仁 = 東 = 春
 火 = 赤 = 礼 = 南 = 夏
 土 = 黄 = 信 = 中央= 土用
 金 = 白 = 義 = 西 = 秋
 水 = 黒 = 智 = 北 = 冬

こんな風に、一つひとつ意味があり、
儒教の根底になっているもののようですが、

日本人には、一つひとつというよりは、
「仁礼信義智の五常全部ある人が立派な人」
というかんじで・・・

丸ごと一緒にし、全体でアバウトにとっていくのが、
日本文化の特徴だと、先生は仰います。

全体の調和を大事にしていくのは、
日本人らしさの表れなのかもしれません。

室礼をしながら、
ひとつずつの道具や盛り物の説明を聴いていくのは
目から鱗でもあって、とてもおもしろものですが、

部分に捉われすぎず、感性をはたらかせながら、
全体でなんとなくくるんでいくような曖昧さや
調和を大事にしてみたいです。

かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子