今日のカグヤクルー日記

クルーそれぞれの理念の実践や気付きを交代で掲載しています。

2015/10/22

「庚申塔」

いつも有難うございます。
カグヤの松野です。

秋らしくなってきて、
早くも、神社のイチョウから銀杏がポロポロと
落ち始めていました。
黄色に色づくのが待ち遠しいです。

さて、先日高円寺の商店街を歩いていると…
お店が並んだ一角に、
“庚申塔”という石塔を発見しました。

調べてみると…
これは、“庚申待(こうしんまち)”という民間信仰の石碑であることを
知りました。

言い伝えによると、
人の身体の中に、三匹の虫がいて、
60日に一度回ってくる庚申の日の夜
人が寝ている間に身体から抜け出し、
天帝にその人の悪事を告げにいくことから…

その庚申の日に村人が集まり、夜通し一睡もしないで
徹夜で青面金剛像を供養して、
三匹の虫が天に昇れないようにする
“庚申待”が生まれたそうです。

“庚申待”の信仰は、全国至るところにあり、
2年間この庚申待を18回続けた記念に、
この“庚申塔”が建立されるものなのだそうです。

高円寺の庚申塔は、
1716年に村人6人が悪病退散・村民安全祈願を祈って
建立され…なんと!来年で300年を迎えるそうです。
商店街の中に、ひっそりと見守るようにして
建っている庚申塔が、
300年も前からその地にあること。

この地に住むご先祖様が代々
300年間ずっと、みんなが平穏に暮らせますようにと祈り、
庚申塔を守ってこられたこと。

調べて偶然知った事実でしたが…
それまで当たり前のように見えていた商店街の風景が、
実は、多くの人の祈りの中で守られてきたものだと気付きます。

今私たちが暮らしている世界は、
先人たちから頂いたもの。

そのことを改めて教えて頂いています。

発酵コーディネーター
松野 寛子