今回のドイツ研修は、第15回です。ドイツでは、5の付く回は記念だということで、今回特別な配慮を頂き、ミュンヘン市の市職員のセミナーハウスに二泊させていただきました。そして、当局の会議の中で、長い付き合いであるということで、宿泊させていただいただけでなく、宿泊代を無料にしていただき、さまざまなおもてなしを受けることができました。
場所は、ミュンヘン市の中心からバスで1時間ほど郊外に行ったところにあります。ドイツはあまり高い山がなく、ほぼ平らで、あってもなだらかな丘陵が続きます。風景としては、緯度は樺太くらいにあたり、日本で言えば、北海道に近い植生です。しかし、セミナーハウスは、若干高い山の麓の村の中にあり、狭い曲がりくねった道を走った先に、今回宿泊することになったセミナーハウスが車窓から見えてきました。
一泊目には、私たちの他にミュンヘン市の学童クラブの職員が宿泊していました。早速、今回の私たちツアー参加者のメンバーの一部の人と、ミュンヘン市の学童の職員と記念撮影をしました。
部屋は、シングルで、窓からはさわやかな風が入ってきて、少し肌寒いくらいです。
夕食は、バーベキューで、セミナーハウスの管理人さん自ら肉を焼いてくれました。
翌日の午前中は、ミュンヘン市の教育局の先生と、公立幼稚園の園長さんと職員さん4人がセミナーに参加してくれ、ミュンヘン市の保育における取り組みについてプレゼンを1時間あまりしてくれました。テーマは、現在ミュンヘン市が取り組んでいるJugendparizipation(参画)についてで、その研究家である職員さんが話してくれました。
ミュンヘン市が、1997年、子どもの権利条約の採択を受けて、市長はじめ、子どもに関するすべての行政職員、ボランティアみんなで検討して取り組むことに決めた課題です。そして、バイエルンという保育指針のような幼児教育が取り組む課題として、この「参画」が書かれることになり、デモクラシーについて、考えていこうということにしたのです。そして、この参画に取り組むようになった経緯としては、子どもにとって最も効果的な学びととは、子どもに興味関心を持たせることにあり、そこには個人によっての個性があるために、参画という考え方をすることになったと言います。
参画の例としてあげられているのは、例えば、食事について、子どもは誰と、どのくらい食べるのかを決める権利があるというようなこととか、どんな遊びをしたいか、新しい遊具を買うときにも、子どもたちによる投票によって決めます。また、買い物に行くときなどは、各グループから代表が選ばれ、彼らのよって提案されます。このような参画の内容については、それぞれの園によって子どもと一緒に、また保護者とも一緒に決め、均一はないと言います。そして、参画した結果何か問題が起きたとしたら、それはチャンスとして捉え、子どもたちに解決する力を付けます。
それを一歩進めて、2012年、子どもたちからの苦情を聞かなければならないという法律ができ、子どもたちにインタビューすることによるアンケートを採ることになったそうです。
この参画は、地域への参画、保護者の参画と広がっているようです。