楽しむ1

 今、オリンピックでは毎日選手の健闘が報告されてきます。特に、今日はスピードスケートでいい成績を出しました。スピードスケートというと、今回はオリンピック選考で漏れ、引退を表明した清水宏保選手がいます。彼は、4度のオリンピック出場があり、長野で金、銅、ソルトレークで銀メダルを取っています。最近の日本人選手が、なかなかメダルを取れないニュースを聞くたびに、彼のすごさを痛感します。そんな彼が、私が普段から思っていたことを14日の読売新聞で語っていました。
 最近、オリンピックに参加する選手のコメントで「楽しんできます」という言葉を聞くことがあります。そんな時に、私は、一人の個人の楽しみに、多額な税金を使うことって、どういうことだろうと思ってしまうのです。今回の国母選手の服装騒ぎでも、ある新聞に「服装で、自分を主張したいのなら、プロになって、自分のお金で試合をするときにすればいいのではないか」と書いてありました。あの制服も、税金を使っているはずです。そして、かなりの選手団だけでなく、役員などのスタッフも大勢派遣されているはずです。多くの税金を使っていることに自覚を持ってほしいと思います。
 新聞で、清水さんはこう語っています。「“オリンピックを楽しもう”この言葉には色々な意味がある。でも、選手も、見る人も、“楽しむ”をはき違えてはいけない。五輪は決してお祭りではない。だから、場の空気を楽しんでは駄目だ。個々の選手に押し寄せるプレッシャーを楽しむべきだ。僕はよく言う。重圧とは、選手にとってサプリメントなんだよ、とね。五輪本番の試合モードに体を仕上げていくためには、欠かせない材料といえる。筋肉も関節も最終仕上げの段階に入った時、重圧という強烈な刺激が入ってこそ、本物の張りが出てくる。体がそうなれば、気持にも、緊張感がみなぎってくるのだ。選手には、その過程を楽しめと言いたい。」
「昨年、政府の事業仕分けを見ていて思った。企業やスポンサーの支援だけでなく、多額な税金が五輪選手にも投入されているのだなと。“国の代表”という使命感があれば、お祭りに浮かれることはない。若い選手には、俺には関係ないよ、という人がいるかもしれない。“無知”も成長への過程だろうが、“目立ちたいだけの五輪”は間違っていると指摘したい。」
彼の意思を継いだ選手が、今回のオリンピックで活躍したことはうれしいことです。それは、何も「お国のために頑張れ!」というつもりはありませんし、メダルを取ることだけが目標だと思っているわけではありません。その道を楽しむ姿が国民を感動させ、個々の人生に影響を与えるのです。