教員の能力開発

教員の能力開発では、教員養成の初期段階、すなわち教員として仕事を始める前に教員が身につける知識やスキルに焦点を当てる傾向があります。同様に、教員の能力開発のためのリソースの大半は、就業前教育に割り当てられる傾向があります。しかし、教育の急速な変化と多くの教員の長いキャリアを考えると、教員の成長は、生涯学習の観点からとらえなければならないのです。しかし、教育の急速な変化と多くの教員の長いキャリアを考えると、教員の成長は、生涯学習の観点からとらえなければならないというのです。つまり、教員養成の初期段階は継続的な学習の基盤であり、専門家としての成長の頂点ではないのだというのです。シュライヒャーは、技術革新や新しいメディアによって教員が直面する課題について考えています。あるいは、近年の移民の流人によってヨーロッパの教員が直面する課題を考えてみています。今日の教員が教育を受けた数十年前の教員養成では、これらの課題を予測することはできなかったのです。

オンタリオ州のダルトン・マクガインティー前知事は、2010年にシュライヒャーに「新世代の教員を待つよりもむしろ、既存の学校や教員に投資し、彼らが改革に取り組むようにしたり、彼らの改善への取り組みを支援することが大切だ」と話したそうです。その取り組みには、学校における広範囲の能力開発や年4回の会議の開催が含まれていました。会議には行政のリーダー、教員組合、教育長による組織、学校管理職の委員会が集まり、改革戦略を実行する方法を議論したそうです。

他の国々もまた、教員の専門性の開発に多大な投資をしてきました。シンガポールの教員は、年間10時間を専門性の開発に費やし、常に自分の専門性を最新のものにして実践の改善に努めています。教員のネットワークや学習の専門家コミュニティは、教員どうしの学び合いを奨励しているそうです。2010年9月には、教員による継続的なベストプラクティスの共有をさらに進めていくために、シンガポール教員アカデミーを設立しました。教育養成の初期段階で現実の生徒や教室を経験する機会がないという、教員養成へのよくある不満はシンガポールでは耳にしないそうです。とはいえ、年間2000人もの教員候補を教室に入れることは、混乱を招き、非常にコストがかかるために難しいようです。

では、どうすればいいのでしょうか?自らの判断が与える影響を理解していない地方自治体が意思決定するアメリカやヨーロッパの一部の事例を参考にするのでしょうか?あるいはナショナル・スタンダードが機能せず、少数の選抜された集団への教員養成をおこなう有名大学の取り組みを参考にするのでしょうか?シンガポールは、非常に異なる方法を試みてきたようです。10週間から22週間の学校での教育実習に加えて、デジタル技術を用いて国が選んだ教室にリアルタイムでアクセスできるようにして、シンガポール国立教育研究所は教員養成に教室を取り込んでいるそうです。彼らはまた、教室を核とした実証研究も推進しており、教員が学習経験を自分のものにしたり、教室での多様性の増加や学習スタイルの違いに対応し、カリキュラムや教授法、デジタル教材の発展に追いつけるように支援しているのです。