質の高い教員を育てる

国際成人力調査(PIAAC)によると、最も優秀な大卒成人の上位3分の1から教員が集まっている国はありません。実際、教員は大卒の平均的な労働者と驚くほどよく似ていると言います。さらに興味深いことに、教員のスキルを他国と比べても、平均的な大卒者と比べても良くない一部の国(ポーランドがその一つである)が、最も急速な進歩を遂げたことだとシュライヒャーは言います。つまり、優秀な卒業生の採用は教育改革の一要素にすぎないと彼は言うのです。各国が教員の継続的な専門能力開発のために投資することも、少なくとも同程度に重要であるとも言います。

では、「質の高い教員を育てる」にはどうしたらいいのでしょうか?まず、優れた教員の特徴は何でしょうか?教育研究者のトーマス・L・グッド氏とアリソン・ラピーネ氏は、印象的な特徴をまとめています。例えば、優れた教員は、生徒には学ぶ能力があり、自身にも教える能力があると信じていることです。彼らは教室にいる時間の大半を授業に費やし、教室を組織化して生徒の学習時間を最大化します。彼らは小さな一歩を踏まえながら早いペースでカリキュラムをこなし、アクティブな教授法を用います。そして、生徒が習得するまで教えるのです。

しかし、私たちはどのようにしてこのような教員を育てるのでしょうか?シュライヒャーは、自然から学んだ比喩で説明しています。カエルは、非常にたくさんの卵を産み、その中から何匹かのオタマジャクシが生き残り、最終的には次の世代のカエルへと成長していくことに希望を託します。アヒルは数個の卵しか産みませんが、それが孵化するまで守り温め、その後は命を懸けて雛を守ります。ある意味、これらの繁殖に関する多様な哲学は、各国の教員養成課程の多様性を示していると言います。幾つかの国では、教員養成課程の門戸は誰にでも開かれています。しかし、それは最後の手段であり、中退率の高い選択肢だというのです。他の国では、教員養成課程は非常に選抜されたものになっているそうです。これらの国では、政府が投下するリソースは、教員として成功すると認められた人に集中するのです。

ワールドクラスの教育制度の多くは、入学難度が比較的低い大多数の教員養成系の単科大学から、入学難度が高く序列が高い少数の総合大学の教員養成学科へと教員採用の対象を変えました。教員になるためのハードルを上げることで、これらの国は能力の低い若者が教員になることを防ぎます。他の高い地位の職業につくことができる優秀な若者は、容易になることができる職業に就く可能性は低いのです。そこで、より需要の高い専門職に就けなかった優秀な若者を教職にひきつけるというのです。

フィンランドでは、教員養成課程は最も人々が尊敬する学問的なプログラムの一つとされています。フィンランドの教員養成機関には、毎年どこでも9人以上の応募があるそうです。選抜されなかった人は、代わりに弁護士や医者になることもできます。応募者は高等学校の成績や大学入学試験の得点に基づいて評価されます。しかし、より厳密な選抜はこの後です。まず、応募者は学業資格の最初の選考を乗り越えると、授業実践の様子を観察され、面接を受けます。卓越した学業成績に加えて、教育に対する明確な適性を持つ応募者のみが選抜されるのです。