教員の地位

多くの企業は、最も優れた専門家を最大限に活用できるようにキャリア構造を利用します。では、企業が専門家を選び出す人材プールを作るものは何なのでしょうか?一般的には、それは仕事と社会的地位との結びつき、仕事に貢献できそうな度合い、仕事の経済的および知的な報酬の組み合わせだと言います。

ある国の教員の地位は、誰がその職業になりたいと希望するかに極めて大きな影響を与えます。フィンランドでは、教職は非常に選抜された仕事であり、高い技術を持った高学歴の教員が全国に広がっています。フィンランドでは、教員よりも高く評価される仕事はほとんどありません。一方、伝統的に儒教文化圏では、長い間教員の社会的地位がヨーロッパのほとんどの教員よりも高かったのです。東アジアの一部では、教員が全公務員の中で最も高い給与を得られるように、教員の給与を法律で定めているそうです。

イギリスではトニー・ブレア氏の労働党政権が誕生した時に、歴史上、最悪の教員不足に直面しました。5年後には、毎年8倍の応募者が集まるようになりましたが、初任給を上げたり、教員の労働環境を大きく変える必要がありました。しかし、方向転換の際には、洗練された強力な募集広報プログラムが重要な役割を果たしたのです。

シンガポールは、教員養成課程の志望者を選抜する仕組みの質を高める優れた方法で知られています。政府は志望者を丁寧に選び、教員養成課程を受けている間にも月給を与えます。これは、他の職業の新卒者に月給で劣らないようにするためです。その代わりに教員養成課程を修了後、少なくとも3年間は教職につかなければなりません。シンガポールは初任給にも注意を払っており、新規採用する教員の給与を調整しています。その結果、シンガポールでは、最も資格のある候補者にとって、教職は他の職業と同じくらい経済的に魅力的なのです。PISAのデータによると、シンガポールの学校は、雇用面では限られた裁量しか与えられていません。しかし、教員養成課程で学んでいる教員が所属する学校の校長は、教員採用の審査に参加し、意思決定のための議論に加わります。教員採用に失敗すると、40年にわたって教育を貧弱にする可能性があるのです。つまり一つの学校だけでなく、システム全体の成功にかかわるのです。

教えることを経済的に魅力的にするのは比較的容易ですが、一方で、教えることを知的で魅力的にするのは、はるかに困難です。しかし、非常に才能がある個人を教職に引き付けるための鍵となるのは後者です。特に、教育にかかわる人々が、自分たちの社会に変化をもたらしたい時はそうです。けれども、それは教員の仕事がどのように組戯されているか、職業上の成長機会があるかどうか、仕事が専門家および社会の中でどうみなされるかに依存するので難しいのです。このような条件が満たされても、教員の専門性が国際的に卓越性を認められ、表彰されることは少ないのです。このあたりの事情は、保育者にも言えることですね。そんな中、2016年に映画産業は、第88回のアカデミー賞を発表しました。しかし、同年はグローバル・ティーチャー・プライズがおこなわれた最初の年でした。