共通する特徴

タッカー氏のべンチマーク調査は、高い成果を生み出す全ての教育システムに共通する次のような驚くべき持徴を明らかにしました。

・多くの教育システムでは、一人ひとり異なる生徒が同じ方法で教えられている。だから、ワールドクラスの学校システムは、カリキュラムを犠牲にすることなく、特徴的な教育実践によって生徒のニーズに対応する傾向がある。そこでは、普通の生徒が素晴らしい才能を発揮することが理解されている。また、これらのシステムにおいて、教員は生徒の学問的な成功だけではなく、彼らのウェルビーインクにも力を尽くしている。

・学校システムの質が教員の質に勝ることはない。ワールドクラスの学校システムは教員を丁寧に選抜し、教育する。また、悪戦苦闘している教員のパフォーマンスを高め、彼らの専門性の高さを反映するような給与体系を作る。教員が協力して優れた実践を生み出す環境を整備し、教員がキャリアの中で成長していくように促すのである。

・ワールドクラスの学校システムは、高い目標を掲げ、生徒が何をできるようになるべきかを明確にし、生徒に教えるために何が必要かを教員が明確に意識できるようにする。すなわち、経営者が管理し、責任をとる形態から、組織自体が専門的に管理する形に変わっていく。また、教員がイノベーティブになり、自身や同僚のパフォーマンスを改善し、より良い実践をおこなう専門家としての成長を追求するように促していく。ワールドクラスの学校システムでは、学校システムの上席者の方を向いて働くことは重視されない。その代わりに、同僚の教員や近隣の学校へと広がり協同する文化や、イノベーションのための強いネットワークを作り出すことが期待される。

・最も高い成果を上げる学校システムは、システム全体にくまなく高い質の教育を提供するため、全ての生徒が優れた教育から多くのことを学ぶ。このような状態をめざし、これらの国々では最も困難な学校に最も優れた校長を、最も課題を抱える教室に最も優れた教員を配置する。

・大切なことを言い忘れていた。ワールドクラスのシステムは、システム全体にわたって政策と実践をいきわたらせる傾向がある。政策が一定期間にわたって継続するようにするため、政策が一貫して実行されるように見えるのである。

シュライヒャーは、これらの持徴を一つひとつ詳細に見ていくことには価値があるだろうといいます。そこで、順に丁寧に考察していきます。

まず、「教育を優先する」です。

多くの国が教育を最優先にすると主張していますが、その主張どおりかどうかを明らかにする簡単な質問があるそうです。例えば、次のような質問です。

教職の地位はどれくらいか?同程度の教育水準の他の職業に比べて教員の給与はどれくらいか?自分の子どもを教員にしたいと思うか?メディアは学校や学校教育をどれくらい報道しているか?

そして、時として重要になるのは、次の質問です。地域社会がスポーツを重視するか?学問的な成績順位を重視するか?です。