一緒に学ぶ

近所の公園は楽しく学ぶのに最高の場所だとキャシーは言います。秋になれば美しい葉っぱを拾って紙に貼ったり、フロッタージュという「こすり出し」アートの技法で、表面が凸凹した物の上に紙を置き、例えは鉛筆で擦ると、その表面の凸凹が模様となって紙に写し取られたりできます。春になれば多くの花がどのように咲こうとするか、そのプロセスを何度も繰り返し訪れて確かめることができるでしょう。最高の学びのチャンスがあちこちに転がっているのです。本当に価値のあるものはお金をかけなくても手に入るのです。

もしあなたの子どもが通う学校で芸術系の学びを殆どやっていなかったらあなた自身がやればいいのです。それも子どもが今学校で学んでいる内容と繋げてやります。国語の授業で読んでいる文章に出てくるワンシーンを水彩画にします。宿題を一緒にやるとしたらそのシーンを劇にして演じてみます。ダンスを組み合わせたり、歌を作ったりして、子どもが学ぶ必要のある様々な芸術の手法を学びに繋げることができるのです。更にそこにあなたも加われば、どうやって学びを面白がるか子どもに見せられるのです。自分の子どもに「教える」のではなく、自分の子どもと「面白がって一緒に学ぶ」ということなのです。それが子どもの教育に関わるということなのです。

もし子どもが芸術系の活動に強い関心を示したら、放課後のプログラムやサマーキャンプに参加させるのもいいでしょう。多くの子ども達に人気なのは演劇のキャンプです。恥ずかしがり屋の子でさえこのキャンプに参加したがります。芸術を通じて子どもの創造力に火がつくと思考力が高まり、実行機能スキルも向上します。太鼓サークルに参加した子ども達が自分の楽器を持って拍子をとっています。集中し完全に没入しています。こうした音楽活動が子どもの集中力を育て、実行機能スキルを伸ばすだけでなく、学び方を学ぶスキルを身につけるのにも役立っていることが研究によって明らかにされているそうです。

では、知識コンテンツを育てる環境をどう作ればいいのでしょうか。まずテレビを見せることはやめ、更に子どもが電子ゲームのスクリーンばかり覗き込む状況をなくします。これはとても重要なポイントであることは間違いないとキャシーは言います。ただ、全てのゲームを禁止すればいいというわけではありません。シムシティのように子ども自身が街を作り出してゆくゲームは子どもの想像力や思考力を刺激しますし、手と目を協調させる力を伸ばすゲームもあります。私達は産業革命の時に機械を打ち壊したラッダイト運動のような活動を今行いたいわけではないと言います。むしろ子どもの年齢が上がってきた場合、タブレットやパソコンを使って効果的に学ぶ価値があることも十分理解していると言うのです。

学びを深く愛する子どもが育つために何よりも心がけたいことは、子どもが関心を示した物事を本気で受けとめる大人の姿勢だと言います。自分の興味に導かれて取り組んでいるトピックは既に子どもにとって深い意味を持つものになっていますし、どうしたってそれに没入してしまうでしょう。ある人は子どもの時、クモが出てくる本ならばすべて読みつくしたと言います。そんなことを聞いてもしうちの子がそうなったら、本を買うお金がなくて困ってしまうのではないかと心配した人もいるかもしれません。しかしそんな時こそ図書館を大いに活用すべきです。キャシーの子どもが小学生だった頃、毎週一緒に図書館に行き、本を借りてきたそうです。自分の読みたい本を選ぶ時に感じる子どもの気持ちがどれほどの力を持つか想像してみてほしいとキャシーは言います。親である彼女も子どもが借りた本を心から面白がり、次に図書館に本を借りに行くまでの間、一緒に何度も繰り返し読んだそうです。