子どもへの関わり

キャシーらは、マナーを教えるというと時代遅れに聞こえるかもしれないと言います。しかし誰かと話をする時は相手の目を見て手遊びするのをやめなければいけないということは対話の練習なしに、子ども一人で学べるものではないと言います。話しかけたのに子どもが全く返答しない時があります。自分の話しかけようとしている人にきちんと返答しないのは無礼な振る舞いです。子どもが画面の中だけでなく、実際の人と顔を合わせながらコミュニケーションできるようになるためには、どのようにコミュニケーションが作用するのかを、子どもがしっかり理解できるように支援する必要があると言うのです。

親は子どもへの期待を伝えるためにどれ程多くの言葉を費やしていることでしょう。その時にただ言うだけではダメで、なぜなのかどうすればよいのか子どもが大人に問いかけられるように、子どもと一緒に考えることが必要です。誰かの家の冷蔵庫を開ける時には開けてもいいか聞いてからにしないといけないのはなぜでしょうか?友達のパーティに行くことができない時、どう伝えるべきでしょうか?「心の理論」を持ち合わせている子どもであっても、自分の属する文化で社会的に振る舞うためにどういう態度が期待されているかを学ぶ必要があると言うのです。

ポイントは現実の必要性・必然性のある場で、コミュニケーションする機会を子ども達が積み重ねることだと言います。段階的に学べるように工夫して、子どもをレベル4の対話へ迎え入れ、活躍できるような日常場面を注意深く捉えて、臨機応変にコミュニケーションの場を設定するといいと言います。

コミュニケーションする力を身につけることで、子ども達は幸せに生きるための様々な手立てを得られると言います。良きコミュニケーターは、コラボレーションするための基盤だと言います。コミュニケーションしながら読解、数学、科学、芸術で必要な知識を獲得するのです。文字の読み方を学んでから、学ぶために読めるようになると一般的に思われていますが、十分なコミュニケーションスキルがない状態でどんなに早期から文字の読み方を勉強させても、全く効果はないだろうと言います。「boy」という言葉を知らないのに、BとOとYという文字の組み合わせを覚えさせても役に立ちません。語彙はオープンエンドの問いから始まる、他者との豊かな対話を通じて身につけてゆくものだとキャシーらは言うのです。

我が子に「自分の言葉で語ってごらん」と語りかけることで、親は子どもの言葉の成長を大いに助けることになります。子どもに物語を話すことで物語を愛する心が生まれ、それが学習面でのスキルと対人関係スキルの両方を身につけるのに大いに役立つのです。言語、単語、物語の三つが組み合わされてコミュニケーションは成立し、自分の思いを他者に伝え、他者の思いを知ることができると言うのです。ハードスキルとソフトスキルを共に身につけ、グローバル時代を幸せに生きてゆこうとするならば、コミュニケーションする力こそが何よりも重要と言っても過言ではないとキャシ-は言うのです。