子どもを見つめる

私達が子どもに問いかける時は会話が続く問いかどうかをよく考えてみるようにとキャシーは言います。そのために、オープンエンドの問いを投げかけることが重要だと言います。オープンエンドではないクローズエンドの問いとは、例えば「1+4の答えは何?」というような、1回答えて会話が終わりになってしまうような問いのことを言います。子どもと対話するために問いかけるなら、例えば「今、学校で一番の仲良しは誰?」というような、子どもがどんどん対話を発展できるものを選んだ方がいいと言います。こうして自己コントロールする力とともに言葉の力が花開きます。バンダービルト大学のデビッド・ディッキンソンは「五回続けよう」を合言葉にし、子どもとやりとりする時は、必す五回やりとりすることを心がけようと提唱しているそうです。こうして子どもは大人との対話を通じて豊かに学んでいくと言うのです。

あなたの子どもは今どのレベルにいるでしょうか。思い通りになるまで大声を上げるでしょうか?ずっとめそめそと泣いているでしょうか?同じ年齢でもどのコミュニケーションのレベルにいるかは様々です。子どものコミュニケーションスキルを評価することは、真のコミュニケーション力を育てるための重要な第一歩なのです。

あなたの子どものクラスは静かに授業が進行するでしょうか?それとも子ども達同士がお互い関わり合って幸せな声を上げているでしょうか?どんな絵が壁に貼ってあるでしょうか?協調的なコミュニケーションを促進するためにどんな活動をしているでしょうか?

ブロック遊びのできる一角で共に活動している子ども達は、語り合い、構想を立て、豊かな語彙を使って一緒に組み立てていきます。皆で取り組むプロジェクト学習で建造物はどう構築されているかを学んでいるのです。こういった関わりが休み時間でもランチタイムでも見られるならば、コラポレーションしながらコミュニケーションの力を高める学びの場になっていると言えるのではないかとキャシーらは言うのです。

家庭でも、コミュニケーションの機会をいくらでも作ることができます。8歳以上の子どもは一日8時間、ゲーム、タブレット、PC、テレピなどの画面に向かっているという、カイザー財団の調査報告があるそうです。これでは到底コミュニケーショシスキルを練習する機会は得られません。子ども達がデジタル機器に触れる時間を制限し、現実社会で人とリアルに関わって、コミュニケーションの花を咲かせる機会を作ろうと呼びかけます。ディベートや議論も重要なコミュニケーションのあり方だとキャシーらは考えています。人間関係の摩擦や不一致が起こらない環境を作ってしまったら、子ども達は言葉で交渉する術を決して学ぶことはできないだろうと言うのです。

では、コミュニケーション力を育てる環境をどう作ればいいのでしょうか?家庭でできることの第一は家族が集まって対話する機会を作ることだと言います。テレビを見る時間が制限されていると、お互いに夫々遊ぶだけでなく相手の遊びに加わったりします。一緒に遊び出せば、葛藤が必ず生まれます。争いごとが起こった時に子ども達だけで解決させることもできますが、家族全員が、義務として集まり、間題について話し合う場をあえて設けることもひとつです。最初に「被害者」が語ります。その時「容疑者・被告人」と名指しされた子は物凄く驚き、動揺するかもしれませんが、相手の発言が終わるまで耳を傾けるよう自己コントロールしなければならないのです。それが終われば「容疑者」にも発言の機会が与えられます。このやり方で誰も傷つけず、皆がお互いを尊重しながら、コミュニケーションによって争いを解決できるのです。家族会議が駄々をこねたり愚痴を言う場ではなく、議論する場になるのです。